☵19〕─1─サンフランシスコ市議会の「慰安婦の日」採決。サンフランシスコ市長は慰安婦像寄贈を受け入た。~No.149No.150No.151 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2017年9月17日 産経ニュース「【歴史戦】9月22日=「慰安婦の日」決議案採決へ 米サンフランシスコ市議会
 米カリフォルニア州グレンデール市の「慰安婦」像(2014年4月撮影)
 【ロサンゼルス=中村将】米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会で19日、9月22日を「慰安婦の日」に制定する決議案が審議されることが分かった。即日採決される見通し。
 22日は、同市議会で慰安婦像設置を促す決議案が採択されてからちょうど2年にあたり、市内の中華街にあるセント・メリーズ公園で元慰安婦らを招いて像の除幕式が行われる。「慰安婦の日」が制定されれば、毎年の関連行事などを通じて反日活動が恒例化するおそれがある。
 市議会事務当局などによると、市議会の定数は11人で、うち3人が「慰安婦の日」決議案を共同提案している。決議案採択には全会一致の賛成が必要で、反対意見が出れば、審議継続などになる可能性がある。
 決議案の提案理由書には、慰安婦を「性奴隷」とし、「20世紀最大の組織化された制度」「日本政府は今日まで生存者らに公式謝罪をしていない」「この制度が人身売買制度への道を開いた」などと日本政府が「不適切」とする表記や、事実誤認が散見される。
 各地の「慰安婦の日」をめぐっては、韓国の文在寅ムン・ジェイン)政権が7月に発表した「国政運営5カ年計画」にも「日本軍『慰安婦』被害者記念日」の制定が盛り込まれたほか、慰安婦像が設置されている同州グレンデール市も、慰安婦問題で日本政府を非難する米連邦下院121号決議が2007年に通過した日を記念して7月30日を「慰安婦の日」と宣言している。」
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 9月20日 産経ニュース「【歴史戦】9月22日は「慰安婦の日」 米サンフランシスコ市議会が決議案採択
 【ロサンゼルス=中村将】米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会で19日、9月22日を「慰安婦の日」に制定する決議案が審議され、全会一致で採択された。22日は同市議会で慰安婦像設置を促す決議案が採択されてからちょうど2年にあたり、市内の中華街の公園で、像の除幕式が行われる。
 市議11人のうちの3人が「慰安婦の日」決議案を共同提案した。提案理由では、慰安婦を「性奴隷」とし、「日本政府は今日まで(元慰安婦の)生存者らに公式謝罪をしていない」などと説明していた。「謝罪をしていない」という文章には事実誤認との指摘があり、提案者側は削除に応じた。決議案は「この(慰安婦)制度が人身売買制度への道を開いた」と明記したが、その根拠は示されなかった。決議案は全会一致(欠席3人)で採択された。リー市長が署名すると、「慰安婦の日」が正式に制定される。
 市議会では決議案採択を前に、一般からの意見を聴く「パブリック・コメント」が開かれた。「提案理由の内容が不正確」「地域社会に憎しみと不調和をもたらす」「(慰安婦問題は)日韓の政府間ではすでに決着済み。米国は仲裁役だった。『慰安婦の日』ができれば、問題がおきるだろう」などの反対意見が続々と述べられたが、採決は予定通り行われた。」
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 9月23日 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】サンフランシスコに慰安婦像、米大都市で初 除幕式に中国総領事、マイク・ホンダ前議員ら出席
 セント・メリーズ公園展示スペースに設置された慰安婦像=22日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(中村将撮影)
 【サンフランシスコ=中村将】米カリフォルニア州サンフランシスコ市の中華街にあるセント・メリーズ公園の展示スペースで22日、慰安婦像の除幕式が行われた。米国の大都市での像設置は初。関係者によると、展示スペースは市に寄贈されることが決まっており、米公有地での3例目の設置となる可能性がある。
 像は中国系米国人らにより結成された「慰安婦正義連合」(CWJC)が主導し、韓国系団体なども協力する形で設置された。除幕式には駐サンフランシスコ中国総領事や韓国から訪米した元慰安婦、米連邦下院で慰安婦問題での日本非難決議を主導したマイク・ホンダ前議員らが参加した。
 像は韓国・ソウルの日本大使館前などに設置されている、いわゆる「少女像」とは違って、背中合わせに立った女性3人が手をつないでいるデザイン。中国、韓国、フィリピンの慰安婦をイメージして製作されたという。
 サンフランシスコ市が承認した、像を説明する碑文には、慰安婦を「性奴隷」と明記し、「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」などと説明されている。日本政府は国連などの場で「性奴隷」との表現は「不適切」と指摘している。
 22日は同市議会が像設置を促す決議を採択してからちょうど2年目にあたり、今月19日の市議会では22日を「慰安婦の日」とする決議案を全会一致で採択。像設置を推進した中韓の団体は2015年12月の慰安婦問題に関する最終的かつ不可逆的な解決をうたった日韓合意の無効化を訴えており、像設置によって、反日行動が一層活発化する懸念がある。
 米公有地の慰安婦像は、同州グレンデール市とジョージア州ブルックヘブン市の公園に設置されている。」
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 10月5日06:00 産経WESTWEST「慰安婦像移管なら姉妹都市関係を見直さざるを得ない」大阪市長からサンフランシスコ市長への公開書簡(全文)
 2017年9月29日
 サンフランシスコ市長
 エドウィン・M・リー様
 貴殿には常日頃より大阪市との姉妹都市交流にご尽力いただき、大阪市民を代表してお礼申し上げる。10月には貴市代表団も来阪されると伺っており、貴殿と再会できないのが残念だが、心を込めて歓迎したい。
 さて、現地からの報道等により、9月22日に慰安婦像の除幕式が行われたと聞いた。また、同日を「慰安婦の日」とする旨、9月19日の市議会で決議されたと聞いた。
 貴殿に対して2017年2月1日及び2017年3月29日に発信した書簡においてもご指摘させてもらったように、歴史研究者の間でも議論が分かれる慰安婦の数、旧日本軍の関与の度合い、被害の規模について、不確かで一方的な主張をあたかも歴史的事実として刻まれた碑文は、歴史の直視ではなく単なる日本批判につながるものではないかと大いに懸念している。
 また、現在は民有地に設置されている慰安婦像及び碑であるが、今後、公有
地に移管される計画もあると伺っている。姉妹都市提携60周年という歴史的な節目の年に、このような動きが現地コミュニティーに分断を持ち込み、姉妹都市交流にネガティブな影響を及ぼす可能性があるのではと大いに心配しているところである。
 私自身、長年培った良好な姉妹都市関係の継続を切に望んでいるが、もしサンフランシスコ市の意思として、公有地への慰安婦像及び碑の移管がなされることになると、大変残念ではあるが姉妹都市関係を根本から見直さざるを得ない。
 貴殿とは昨年8月にお会いし、良好な関係があるからこそ、このような率直な見解を述べることが出来ると思っている。両市の将来の輝かしい未来のため、くれぐれも慰安婦像及び碑が公有地へ移管されることのないよう、貴殿の思慮深い対応を強く望む。
 なお、この書簡については、前回の書簡同様、サンフランシスコ市民の皆様はもとより、大阪市民の皆様を含めて広く知っていただきたいとの趣旨で、公開書簡とさせていただきますのでご理解ください。
  大阪市長 吉村洋文」
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 10月5日06:30 産経WESTWEST「「姉妹都市の終了検討に大きな落胆」 米サンフランシスコ市長から大阪市長への公開書簡(全文)
 2017年10月2日
 大阪市長 吉村洋文様
 拝啓
 サンフランシスコにおける慰安婦像に関し、懸念を表明する親書に感謝する。ご存じのとおり、慰安婦像は、地域の活動家グループがその先頭に立って率いる民間資金によるプロジェクトとして、9月22日に除幕された。
 貴信については細心の注意をはらって拝読し、また、駐日アメリカ大使や報道機関に対する貴殿の声明についても改めて精査させて頂いた。
 私は、貴殿が両市の姉妹都市関係の終了を検討されているということに大きな落胆を覚えている。60年以上の長きにわたり、我々の姉妹都市関係は何百もの交流・友好行事の育まれてきた。これらの事業は両市にとって相互利益をもたらしてきただけでなく、両市市民の相互理解を深めてきている。
 姉妹都市という概念は、「人対人 People−to−People」プログラムを生み出し、また促進することで、政府の干渉を排除したうえで、多様な文化と市民をひとつにまとめることを目的として提唱されたものである。我々の60年にも亘る関係は、たとえ歴史や文化、言語が異なっているとしても、ともに力を合わせることで、人間愛が我々に共通する中核的な価値観であること、我々がともに平和に生きていけることを示してきた。
 姉妹都市関係が終了すれば、これまで自らの時間や資源、情熱を注ぎ、友好の懸け橋を築こうとしてきた両市の多くの住民を直接的に傷つけることになってしまうであろう。本市に所在する数々の市民団体は、日々の活動を通じて人々をまとめ上げ、相互理解をもたらしている。両市の市民が強固な協調の将来を築くことができるよう、懸命な努力をしている人々が不利をこうむることになれば、それは恥ずべきことではないかと思料する。
 私は、過去を注視するのではなく、我々の子供たちにとって明るい未来を築いていくことに目を向けるべきだと確信している。この観点において、完全に民間の市民により構成されている当地のサンフランシスコ大阪姉妹都市協会が重要な役割を果たしていることは、大きな誇りである。現在非常に困難な時代に生きていることに鑑みれば、両市の明るい未来に向け地道に努力を重ねておられる市民の方々に、我々が強力な支援を示すことは至上命題である。
 公選の職にある者として、たとえ批判にさらされることがあろうとも、地域に対して応えていくことが私の責務である。より深い理解と相互の尊敬の念を持って、姉妹都市関係の61年目を迎えることができるよう、心から望んでいる。
 相互の市民社会をより豊かな利益あるものとし、両市の協力関係を築いていくことにつながっていくよう、我々が両市の人対人の交流を強力に支え続けることを希望している。改めて、我々の素晴らしい都市を強化し利益をもたらすための、将来に向けての努力に対して注意を向け、両市を世界の見本として示していくことができるよう望んでいる。
 2016年8月に直接お会いし、実のあるお話ができたことを思い起こし、両市の姉妹都市関係を成功に導き続けるとともに、明るい未来に目を向けている人々を強力に支援し続けること以上の望みはない。
  敬具
  サンフランシスコ市・郡 市長エドウィン・M・リー」
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 10月26日 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】米サンフランシスコの慰安婦像、設置場所が寄贈され市有地に 一般公開式典も 米公有地で3例目
 【ロサンゼルス=住井亨介】慰安婦像が設置された米カリフォルニア州サンフランシスコ市の中華街にあるセント・メリーズ公園の展示スペースが、同市に寄贈されたことが25日、分かった。米公有地での設置は、同州グレンデール市、ジョージア州ブルックヘブン市の公園に続き、3例目となった。
 複数の市議らによると、私有地だった展示スペースは今月17日に市側に寄贈され、スペースを囲っていた壁が取り除かれて一般公開を祝う式典が開かれたという。
 像を説明する碑文は、慰安婦を「性奴隷」と明記。同市の姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長は「像と碑文を受け入れるのなら姉妹都市を解消する」と表明していた。
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 11月15日10:09 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】米サンフランシスコ市議会、慰安婦像の寄贈受け入れ決議可決 大阪市姉妹都市解消か 
 セント・メリーズ公園展示スペースに設置された慰安婦像=9月22日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(中村将撮影)
 【ロサンゼルス=住井亨介】大阪市姉妹都市、米サンフランシスコ市に設置されている慰安婦像と碑文をめぐり、市議会は14日、像と碑文の寄贈を受け入れる決議案を全会一致で可決した。エドウィン・M・リー市長が議会側からの通知を受けて10日以内に拒否権を発動しない限り、自動的に寄贈は受け入れられる。すでに設置スペースは寄贈されて市有地となっており、今回の受け入れにより像と碑文は完全に公共物化される公算が高まった。
 寄贈受け入れに反対する考えを示してきた大阪市の吉村洋文市長は産経新聞とのインタビューで、「(像と碑文が公共物化されれば)年内に姉妹都市関係を解消する」と述べており、大阪市側の判断が注目される。
 可決されたのは、像と碑文のほか最低20年間のメンテナンス費用として約20万8千ドル(約2360万円)が、像設置を主導した中国系米国人らの団体から市側に寄贈される決議案。
 像と碑文が設置されたスペースは私有地だったが、先月、市側に寄贈され、米公有地での設置としては同州グレンデール市、ジョージア州ブルックヘブン市の公園に続き3例目となっていた。
 吉村市長はリー市長に11月中の面会を求めていたが、「都合がつかない」として断られ、12月中の面会を再度要請。吉村市長は「会ってくれないのならば、12月中に判断する」としており、面会が実現しない場合でも姉妹都市関係の解消に踏み切る意向を示している。」
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 11月15日20:36 産経ニュース「【歴史戦】「民間」盾に慰安婦拡散 韓国が展開する狡猾ロビー攻勢
 14日、ジュネーブの国連本部で行われた人権理事会の対日作業部会で、日本の立場を説明する岡村善文・人権問題担当大使(前列左から2人目、三井美奈撮影)
 2015年の日韓合意から約2年。慰安婦問題は収束どころか、世界中にまき散らされた。米サンフランシスコ市議会が慰安婦像受け入れを決める直前、ジュネーブの国連人権理事会で韓国代表団が日本を攻撃した。
 約100カ国が集まった対日審査。その会場で日韓合意を「被害者や民間団体は受容できないと訴えている」と主張した。見えてきたのは、政府ではなく「民間」を盾にとる韓国側の新手法だ。
 日韓合意は、慰安婦問題で「国連など国際社会での非難・批判は控える」ことを確認している。そこで批判の主体を政府から民間に置き換えたのだ。慰安婦像設置を進めたのも在米民間団体だった。だが国際社会には、韓国が北朝鮮や中国とともに日本を批判しているという印象だけが残る。
 韓国によるロビー活動も活発だ。先月の舞台はパリだった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)で、日中韓などの民間団体が登録申請した慰安婦関連資料の審査。ユネスコ関係者は「韓国側ロビーはすごい。民間団体は審査を担う諮問機関の専門家にも攻勢をかけた」と驚いた。
 ジュネーブの対日審査では岡村善文・人権担当大使が、慰安婦問題は日韓合意で「最終的な解決」を確認したと説明した。強制連行したという主張は根拠がないとして、「国際社会は正しい理解を」と訴えた。慰安婦問題が国際社会に浮上するたび、日本が反論するのは当然のことだ。
 一方、北朝鮮が核・ミサイル威嚇を強める中、日韓対立は各国の東アジア関与を躊躇させることにつながりかねない。
 米欧メディアは先週、訪韓したトランプ米大統領をもてなす料理に「独島エビ」が含まれていたことを一斉に報じた。独島は韓国が領有権を主張している竹島島根県隠岐の島町)の韓国名で、日本側が抗議したことが黒い皿に載ったエビの写真とともに伝えられた。英紙フィナンシャル・タイムズは「トランプ氏が北朝鮮の核挑発に対する結束を強めようとする中、複雑な歴史問題を象徴した」と報じ、韓国は中国に接近していると指摘した。
 米国のアジア外交を支える同盟国の対立。その印象が広がるダメージは大きい。日本は慰安婦問題で主張を貫く一方、対北結束を強化するという難しいかじ取りを迫られる。(ジュネーブ 三井美奈)」
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 11月23日 06:32 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】サンフランシスコ市、慰安婦像の寄贈受け入れ 市長が文書に署名
 セントメリーズ公園に設置された慰安婦像。3人の女性が背中合わせに立ち、傍で慰安婦と見られる女性が見つめる構図となっている=22日、米サンフランシスコ(住井亨介撮影)
 【サンフランシスコ=住井亨介】大阪市姉妹都市、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内に設置されている慰安婦像と碑文の寄贈受け入れをめぐる市議会決議案について、エドウィン・M・リー市長は22日、受け入れを認める文書に署名した。すでに設置スペースは寄贈されて市有地となっており、市長の署名により像と碑文は完全に公共物化された。
 大阪市の吉村洋文市長は、像と碑文が公共物化された場合は姉妹都市関係の解消に踏み切る意向を示しており、判断が注目される。
 サンフランシスコ市が受け入れたのは、像と碑文のほか最低20年間のメンテナンス費用として約20万8千ドル(約2300万円)。像設置を主導した中国系米国人らの団体から寄贈された。
 像は韓国・ソウルの日本大使館前などに設置されている、いわゆる「少女像」とは異なり、背中合わせに立った女性3人が手をつないでいるデザイン。中国、韓国、フィリピンの慰安婦をイメージして製作されたとされる。
 サンフランシスコ市が承認した像を説明する碑文には、日本政府が不適切としている「性奴隷」の表記があり、「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」などと説明している。
 市議会は14日に像と碑文を受け入れる決議案を全会一致で可決。市長が拒否権を発動できる10日間の猶予があったが、感謝祭の休日が23日から始まるため繰り上げられた。
 米公有地での慰安婦像は、同州グレンデール市とジョージア州ブルックヘブン市の公園に設置されている。」
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 11月23日 19:27 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】日本政府は対応に苦慮 サンフランシスコ市長の慰安婦像受け入れで飛び火を警戒
 セントメリーズ公園に設置された慰安婦像。3人の女性が背中合わせに立ち、傍で慰安婦と見られる女性が見つめる構図となっている=22日、米サンフランシスコ(住井亨介撮影)
 米サンフランシスコ市長が民間からの慰安婦像と碑文の寄贈を受け入れたことについて、日本政府関係者は23日、「忸怩(じくじ)たるものがある」と述べ、受け入れを阻止できなかったことへの悔しさをにじませた。政府はほかの都市に飛び火することを警戒するとともに、設置後もサンフランシスコ市に働きかけていく。ただ、中国系・韓国系住民が多い地方議会は歴史問題を利用した反日活動を受け入れやすいだけに、対応に苦慮している。
 政府は、サンフランシスコ市のリー市長がもともと像設置に前向きだったことや、市議会が全会一致で寄贈受け入れを決議していた中、リー氏に対して市議会決議の拒否権行使を要請してきた。水面下でも市議らに働きかけを行っていたという。
 しかし、像設置に反対してきた現地の日本人らは「日本政府とサンフランシスコの総領事館が私たちをサポートすることはなかった」と批判している。
 米国では最初の慰安婦像が2013年にカリフォルニア州グレンデール市の市立図書館そばに設置された。地元日本人らが撤去を求める訴訟を起こしたが、早い段階での日本政府の支援を得られず敗訴した。」
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 11月23日 23:35 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】サンフランシスコ市長、慰安婦像寄贈受け入れ 大阪市姉妹都市解消へ 吉村市長「大変遺憾」
 市議会決議案について、エドウィン・M・リー市長が受け入れを認める署名をした文書を持つ市議会事務局の職員。一番下に市長の署名がある=22日、米サンフランシスコ市のシティホール
 大阪市姉妹都市、米カリフォルニア州サンフランシスコのリー市長は22日、同市内に設置されている慰安婦像と碑文の寄贈受け入れをめぐる市議会の決議文書に署名した。すでに市側に寄贈されている設置スペースに加え、市長の署名により像と碑文は公共物化されることになった。一方、大阪市の吉村洋文市長は文書署名を受けて23日、姉妹都市の解消に向けた手続きを12月中に完了させる考えを示した。(細田裕也、サンフランシスコ 住井亨介)
 寄贈問題をめぐり、安倍晋三首相は拒否権を講じるようリー市長に申し入れていた。吉村市長はコメントで、「再三にわたって受け入れをしないよう要請してきた。このような状況にもかかわらず積極的に署名を行うなどし、大変遺憾」と言及。また、姉妹都市を「強固な信頼関係に基づくもの」と位置づけ、「両市の姉妹都市の信頼関係は消滅したと考える」と指摘した。
 サンフランシスコ市が受け入れたのは、像と碑文のほか、最低20年間の維持費用として約20万8千ドル(約2300万円)。寄贈したのは、像設置を主導した中国系米国人らの団体。
 像はソウルの日本大使館前などに設置されている、いわゆる「少女像」とは異なり、背中合わせに立った女性3人が手をつないだデザインとなっている。中国、韓国、フィリピンの慰安婦をイメージして製作したとされる。
 碑文は「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」などと説明。日本政府は「性奴隷」の表記は不適切としている。
 市議会は14日に像と碑文を受け入れる決議案を全会一致で可決。市長が拒否権を発動できる10日間の猶予があったが、感謝祭の休暇が23日から始まるため、繰り上げた形となった。
 米公有地での慰安婦像は、同州グレンデール市とジョージア州ブルックヘブン市の公園に設置されている。」
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 11月23日23:39 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】「姉妹都市解消は当然」潰された地域交流…在米日本人ら怒り サンフランシスコ慰安婦
 インタビューに答える在米日本人の藤本聖香さん。加州日本人慈恵会事務局長を務めており、一貫して設置に反対してきた=22日、米カリフォルニア州サンフランシスコ市
 サンフランシスコ市による慰安婦像と碑文の寄贈受け入れが決まった22日、在米日本人や日系人からは怒りや失望の声が相次いだ。
 「地域のコミュニティーを分断してしまう」。日系慈善団体事務局長の藤本聖香(せいこ)さん(75)=広島県出身=は、こうつぶやいた。渡米から45年以上たつが国籍は日本のまま。育った日本のイメージと相いれない像への違和感を抑えきれず設置に反対してきた。
 「『慰安婦イコール日本の兵隊』と受け止められるのは我慢できない。女性の人権を守るというなら他にもやり方はあったはずだ」
 韓国系の人々とも交流が深く、像設置に反対してくれる人も多かった。だが、2015年に像設置を支持する決議案が市議会で可決された直後は気まずい雰囲気に。「あんなものを建てて一体何になるのか?」
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 15年9月に開かれた市議会委員会の公聴会。「シェイム・オン・ユー(恥を知れ)!」。出席した元慰安婦の証言の信憑(しんぴょう)性を疑問視する日系住民側の指摘に、市議の一人が声を上げた。
 像設置に反対して何度も市議会に足を運んだ日本人女性(56)は「われわれの声は全く考慮されなかった」と述懐。市内の日系女性(70)も「あまりにも日本人を侮辱した言葉だった」と唇をかんだ。
 中国系米国人らによる団体が圧倒的な組織力で進める計画に女性は10人ほどの仲間と草の根で反対活動を続けた。反日ムードが醸成されて審議が続く中、一部市議から「デナイヤー(歴史の否定者)」呼ばわりされ、屈辱をかみしめた。
 美しい眺望の「ゴールデンゲート・ブリッジ」を観光する日本人客らであふれるサンフランシスコには、古くからの「日本人街」が存在。一帯のシリコンバレーには、世界的なIT企業や起業家が集まり、日本企業の重要なビジネス拠点の一つになるなど、この街は日本との関わりが深い。
 それだけに、在米日本人や日系人らにとって悔しさは言葉にできない。日系女性らが大阪市との姉妹都市関係の解消を求める署名をネット上で始めたところ、賛同者は1600を超えた。(住井亨介)」
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 11月23日 23:43 産経ニュース「【「慰安婦」日韓合意】【歴史戦】
周到な中韓共闘…時遅く 計画察知と関係者説得に課題 サンフランシスコ慰安婦
 戦後70年にあたる2015年の9月22日に慰安婦像と碑文の設置を支持する決議案が米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会で全会一致で採択されてから2年2カ月。リー市長が寄贈受け入れを認める文書に署名し、像と碑文が市の公共物となったことで、中国系米国人らにより結成された「慰安婦正義連合」(CWJC)が主導した計画がここに達成されたことになる。(サンフランシスコ 住井亨介)
 姉妹都市である大阪市の吉村洋文市長は、像と碑文が公共物となれば姉妹都市関係の解消も辞さない構えを重ねて伝えたが、リー市長が訴えを聞き入れることはなかった。
 設置支持の決議案採択の過程では、同州グレンデール市で全米初の慰安婦像設置を推進した「韓国系米国人フォーラム」(KAFC)が協力。先の訪韓時にトランプ大統領が抱き合った元慰安婦をサンフランシスコ市議会に呼び寄せてリー市長と面会させたほか、公聴会で「日本政府は嘘をついている。正式な謝罪はもらっていない」などと日本批判を繰り広げさせた。中韓系が「共闘」した反日ムードの醸成が、一連の審議に影響を与えたことは間違いない。
 反対する在米日本人や日系人が訴えるように「根本に反日感情があるのは明らか」だが、「以前から現地の日系コミュニティーにも好意的だった」(在米日本人)というリー市長の脳裏にもともと、「反日」があったとは考えづらい。中国出身の両親を持つとはいえ、これまで中国系支持層の意に沿わないスタンスを取ることもあった。
 むしろ、判断の材料になったのは、「議会が全会一致で決めたことに抗しがたい」という点。11人いる同市の市議は「スーパーバイザー」と呼ばれ、他市の一般市議とは違って格上とされる。彼らの決定を尊重することで、「民主主義を擁護する」といった態度を示すことを優先したとみられる。
 市長としての判断は2年前の決議の際に「NO」を言わなかったことで示した形であり、今回拒否権を発動すれば自らの判断を覆すことになる。一連の手続きで寄贈する側に特に瑕疵(かし)がない以上、拒否という選択肢の可能性はほぼ失われていた。
 「本会議の採決は儀礼的なもの。適正に審議を終えたという意味合いにすぎない」。ある市当局関係者がこう明かしたように、趨勢(すうせい)はすでに2年前の時点で固められてしまっていた。周到な「中韓共闘」をいかに察知し、政治問題化しかねない像が米国に設置される違和感への理解を関係者からどう得るか−。残された教訓だ。」
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