🎌7〕─7─日本の伝統・文化、宗教・芸能は一子相伝の家元制・世襲制である。〜No.53No.54No.55 * 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本の伝統・文化・宗教・芸能・芸術などは、家伝・相伝、奥義・秘技の一子相伝を原則として、血筋・血統の家元制・世襲制で閉塞的に守られ継承されている。
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 世襲だからと言って優れた後継者が育つとは限らないが、遺伝子・DNA的に血が繋がらない子供比べれば幾分かマシな子が生まれる可能性が高い。
 日本民族日本人は、「血は争えない」信奉者として家系・家における世襲制を信じている。
 つまり、日本は、イギリスのように優れた人物だからと言ってドイツ人やフランス人をイギリス国王などには絶対にしない。
 ゆえに、西洋の王家は開放的寛容的平等的で、日本の天皇家・皇室は閉鎖的不寛容的差別的である。
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 民族主義アイデンティティーも、日本と西洋・中華(中国・朝鮮)とでは異なる。
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 2019年9月6日号 週刊ポスト「POST BOOK Reiew
 池内紀
 『神主と村の民族誌』 神崎宣武 著 講談社学術文庫
 民俗学者としての観察が光る、実体験を通した貴重な記録
 著者は宮本常一門下の民俗学者であるとともに、岡山の古い神社の宮司である。現当主で28代。秋から旧正月にかけては東京と岡山をのべつ往復する。
 神主が世襲制をとっているのは意味があるだろう。祭主として祭礼をとり行うのを、すべて経験で学びとる。一つの紙の切り方、むらのしきたり、当番とのかね合い、神楽太鼓の打ち方、幼いころから目と耳で親しんでいなければならない。神主の立場で座っていても、たえず世俗的な話を聞いておく、そんななかで気がついた。『祭りの盛衰も経済(かね)しだいとまではいわないが、祭りは世相を反映する。伝統という言葉だけではかたづけられないものがあるようだ』
 その語り方からもわかるように、これは神崎宣武宮司の若いときの記録である。禰宜(ねぎ)として乳の補助役をしていた。まだ余裕があり、燃えるような好奇心があり、氏子とのつき合いも若々しい。(だから本書が1991年に出されたときは『いなか神主奮闘記──「むら」と「祭り」のフォークロス』のタイトルだった)『八百(やお)や万(よろず)の神遊び』『マレビトの眼』『信心は宗教にあらず』『むらの祭りを伝える意義』・・・おおかたの章に、地元の人が語り手として登場して、腹蔵のないところを語ってくれる。備中弁をまじえた語り口がなんともうれしい。祖父、父と神主がいたころなので、若手はここでは『若』である。若は何だって聞いてくれる。若は話しよい。そんなふうに言われていたのではなかろうか。
 『ま、ま、その盃をあけてくだせえ』
 ひとり祈祷をしている若に、そんなお相手もしてくれる。
 貴重な記録である。一般に寺の僧侶のことはほとんど知らない。妙な帽子や奇妙な靴や、目を洗うような白さの衣装や、独特の音色をもつ楽器を、ほんのてょっぴりしるばかりである。それがここでは実体験を通して、くわしく語られている。おりおり民俗学者の観察がキラリとまざりこむ」
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 大事なのは、家であって主ではない。
 江戸時代の武士・藩士は、御家・大名家のためにならない主君・大名・藩主は座敷牢に入れて強制的に隠居させるか、急死させて家督を幼い若君に家督を継がせた。
 何故か、藩の事を考えない主君でもし幕府に咎められ改易されたら、藩士は牢人となって路頭に迷う事になるからである。
 守るべきは、御家であって主君ではなかった。
 それが、日本の世襲制度である。
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 数百年、1000年近い歴史を持つ老舗は、全て一家秘伝を持った世襲店舗である。
 日本で偉いのは、長い歴史を伝統として持つ事である。
 それが、永遠の命である。
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 日本民族日本人は、突飛でもない奇抜な個人芸を愛したが、それ以上に特殊な血筋・血統による特別な家系・家だけに伝えられた数百年の歴史を持った昔ながらの「古典・お家芸・十八番」と今と未来に繋がる時流に則した「奇抜・新奇・外連」を好んだ。
 日本に於ける正統は、天才型一個人ではなく、秀才努力型家に存在している。
 つまり、日々精進しない優れた者は傲慢として信用しなかった。
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 家元制という世襲制度は、日本独自の家制度で他国には存在しない。
 ただし、中国ににたような男系家制度があるが根本的には異なる。
 朝鮮には存在しない。
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 現代日本人は、家元制・世襲制が理解できなくなっている。
 その証拠が、国民の80%以上が女性天皇女系天皇擁立と女系宮家創設を支持している事である。
 その傾向は、伝統を軽視し文化に価値を認めない国際的高学歴出身知的エリートに特に強い。
 彼らは、グローバル基準を絶対基準として日本民族を消滅させようとしている。
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 日本の象徴的代表的家元制・世襲制は、天皇家・皇室である。
 日本の家元制・世襲制は、日本民族固有の日本中心神話・天孫降臨神話の高天原神話が深層に存在している。
 天皇家・皇室が、男系世襲制を固辞するにはワケがある。
 天皇制度は、政治制度でもなく宗教制度でもなく、家族制度である。
 天皇の家族制度とは、祖先神・氏神の人神崇拝の継承である。
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