🛶5〕─1─アイヌ語は原オホーツク海沿岸言語の流れを汲む消滅危機言語。原因は人口減少。~No.11No.12No.13 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 北海道・北方領土4島に住み着いた一部の縄文人は、手漕ぎ丸木舟で千島列島・カムチャツカ半島ベーリング海を経て北アメリカ大陸西海岸に渡り定住し、地元の先住民と乱婚し混血して消えていった。
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 台湾から琉球を経て日本列島に流れ着いたヤポネシア人は、石器人・日本土人という。
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 日本民族琉球民族アイヌ民族は、日本土人縄文人を共通の祖先とする同種・同血族であって、中華民族、漢族、韓国人・朝鮮人とは血の繋がりが薄い別種・異種のアジア人であった。
 アイヌ民族は、縄文人にシベリア・沿海州樺太北方領土4島・千島列島・カムチャツカ半島などオホーツク海沿岸に住んでいた人々が南下してきて、混じり合い乱婚し混血して生まれた雑種である。
 日本民族は、石器人(日本土人)、縄文人弥生人(渡来人)、古墳人(帰化人)が混じり合い乱婚し混血して生まれた雑種である。
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 アイヌ語とは
 アイヌ政策推進局アイヌ政策課
 Office of Ainu Measures Promotion
 【アイヌ語の成り立ち】
 アイヌ語はどのようにして成り立ったのでしょうか。アイヌ語と日本語はどのような関係があるのでしょうか。
 アイヌ語と日本語がもとは同じ言葉だったという人もいます。 しかし、 今のところ正しいアイヌ語の知識と研究方法に基づいて、十分な根拠を示している説はありません。「カムイ」と「神」のように似た言葉も多少ありますが、それらは借用語かもしれません。
 また、その周辺の言葉である日本語・朝鮮語(韓国語)・サハリンのニブフ語などの言葉もその成り立ちがわかっていません。アイヌ語の成り立ちは、日本語と同じようにまだ未解決のままといえます。
 【アイヌ語の歴史】
 明治時代以降、日本語による教育をはじめとするアイヌ民族同化政策が押し進められ、アイヌ語は日常生活から急速に姿を消していきました。大人のアイヌの集まりなどでは、自然にアイヌ語が口をついて出ましたが、子供たちには、その将来を考えて、アイヌ語より日本語を身に付けさせようとする親が多かったといいます。
 その結果、しだいにアイヌ語は「滅びゆく言葉」とみなされるようになりました。
 しかし、こうした時代の中でも自らペンをとってアイヌ語の記録を残しているアイヌの人たちがいます。登別市幌別出身の知里幸恵さんは『アイヌ神謡集』(1923)を世に送り出しています。幸恵さんのおばの金成マツさんは、膨大なユカラ筆録ノートを残しています。また、弟である知里真志保さんは、北海道大学で教鞭をとりながら、アイヌ語言語学的に研究し、『アイヌ語法概説』など、 数々の著作を残しましたが、 大著 『分類アイヌ語辞典』の執筆中に早世しています。
 そのほかにも道内各地でアイヌの人たちが自らのアイヌ語知識や、周囲の伝承を記録することに情熱をそそぎました。このような人たちの取り組みが、次代の新しい流れの基礎となり、各地でアイヌ語を学習する人たちが増えつつあります。
 【アイヌ語の文字と表記】
 アイヌ語は、特定の文字で表記する方法が定まっていません。そのため、「アイヌ語には文字がない」といわれることもあります。しかし、大正時代のころからは、アイヌ自身がローマ字やひらがな、カタカナなどを用いてアイヌ語を書き残しています。
 現在もさまざまな立場の人によって、アイヌ語の発音を書き表す工夫が続けられています。
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 ヌプルペツ 登別市アイヌ文化
 イタクー言葉ー
 アイヌ語はどのような言葉であり、どうして記録されるようになったか
アイヌ語は、日本語とは異なる言葉で、文章の構成や言葉のひびきが異なっています。アイヌ文化は、書くことより記憶することを大切にしてきました。
 しかし、アイヌ語に対する差別や学校教育でアイヌ語が使用されなかったこともあり、アイヌ語が徐々に話されなくなってきました。そのため、約100年前から、研究したり、知識を書き留めておくために、アイヌ語をカタカナやローマ字で書くようになりました。
アイヌ語の表記での「プ」や「リ」などのように小文字で表記しているのは、アイヌ語に日本語にはない発音があるためです。読むときは軽く発音します。
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 ウィキペディア
 アイヌ語アイヌ語ラテン文字表記: Aynu itak、アイヌ語仮名表記: アイヌ・イタㇰ)は、日本列島関東以北に居住するアイヌ民族アイヌ)の言語である。
 話者は、アイヌ民族の主たる居住地域である北海道島、樺太、千島列島、カムチャツカ半島南部、かつては東北地方、に分布していたが、現在はアイヌの移住に伴い、主に首都圏など日本の他の地方にも拡散している。言語学では「孤立した言語」である。言語学では「アイヌ語族」(Ainuic) と呼ばれることが稀にある。国際連合教育科学文化機関によって、2009年2月に「極めて深刻」な消滅の危機にあると分類された、危機に瀕する言語である。危険な状況にある日本の8言語のうち唯一最悪の「極めて深刻」に分類された。
 概説
 地理的に近い位置で話され、古くから互いに経済的、文化的な交流があったにも関わらず、大和民族の日本語との間には、女とmenoko、など語彙の借用を除いてそれほど共通点(例、皮 kap 〜 kapa)が見いだせない。アイヌ語は系統や語族が学術的に検証途上で、孤立した言語である。
 北海道以北のアイヌには、強力な支配者や中央政府が存在せずに、標準語・中央 語のようなものは無く、地方によって多くの方言がある。
 現状
 消滅危機言語
 現在アイヌ語を継承しているアイヌの数が極めて少ないため、アイヌ語は近いうちに消滅してしまう『消滅危機言語』の一つとなっている。2007年の推定では、約1万5000人のアイヌの中で、アイヌ語を流暢に話せる母語話者は10人しかいなかった。さらに別の推定では、アイヌ語母語とする人は、千島列島・カムチャッカ半島では既に消滅し、樺太でもおそらく消滅していて、残る北海道の母語話者も、平均年齢が既に80歳を越え、母語話者数も10人以下となっている。アイヌ語の消滅危惧のレベルは「おそらく消滅した言語」と「消滅の危機に厳しくさらされる言語」の間の「消滅に近い言語」となっている。2009年(平成21年)、ユネスコにより「危機に瀕する言語」として、最高ランクの「極めて深刻」の区分に分類され、数年後には母語話者の死亡により消滅すると見られている。
 他の言語との近縁関係
 アイヌ語は他の言語との系統関係が全く不明な孤立した言語である。アルタイ諸語、古アジア諸語、日本語、朝鮮語などとの関連性は指摘されるものの、系統関係を見いだすことはできない。比較言語学方法では系統関係がわからないほど他の言語とは古くに分岐したと考えられるが、言語類型の観点からは北米インディアン諸語との間で最も共通点が多いとする結果がある。
 方言
 かつてのアイヌ語の分布
 アイヌ語の方言は大きく北海道、千島、樺太に分けられる。
 北海道アイヌ語
 千島アイヌ語
 樺太アイヌ語
 東北北部にも18世紀まで本州アイヌが居住していたが、彼らの方言については詳らかでない。中世以前の蝦夷アイヌ語を話していたとする、エミシアイヌ語説もある。
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 日本大百科全書(ニッポニカ)「アイヌ語」の解説
 アイヌ語 あいぬご
 日本語とならび古来より日本列島で話される言語。北海道のアイヌ民族固有の言語。第二次世界大戦終結までは樺太(からふと)(サハリン)南部およびいわゆる「北方領土」でも話されていた。また本州東北地方北部では江戸時代まで、北千島列島では1884年の日本政府による強制移住まで話されていた。時代をさかのぼるとさらに広く分布していたことがわかっており、北はカムチャツカ半島南端から南は東北地方南部までアイヌ語による地名が残っている。現在は北海道に少数の話し手がいるだけで、日常生活では使用されていない。しかし近年アイヌ文化の保存・復興運動の機運が高まるなかで言語復興運動が続いており、わずかながら新たな話し手が育ちつつある。
   [丹菊逸治]
 文字目次を見る
 伝統的には文字を用いないが、明治時代以降はローマ字、カタカナなどを用いて表記されることもある。カタカナ表記のさい、ローマ字表記のtuを表すのにトに半濁点を用いることがある。
   [丹菊逸治]
 方言目次を見る
 地域的な広がりのわりには日本語ほどの方言差はない。北海道方言、樺太方言、北千島方言に大別される。そのうち北千島方言の話し手はすでに存在しないといわれている。なお、東北地方でも独自の方言があった可能性がある。これらのうち北海道方言がもっとも話者人口が大きく研究も進んでいる。
   [丹菊逸治]
 音韻目次を見る
 極東アジア北方の諸言語のなかでは比較的簡単な音韻体系をもつ。母音はa,e,i,o,uの五つ。北海道方言は高低アクセントをもつ。樺太方言には長母音と短母音の区別がある。子音はp,t,k,c,s,r,m,n,w,y,h,ʔ。日本語とほぼ同じだが、清濁の区別はない。音節構造も単純だが、日本語と異なりp,t,kなどで終わる閉音節をもつ。
   [丹菊逸治]
 文法目次を見る
 語順はSOV(主語・目的語・動詞)であり、助動詞などの語順も日本語と似ているが、否定詞は動詞に前置される。日本語と異なり時制をもたない(動詞に現在形・過去形の区別がない)。núman sirpirka「昨日は晴れていた」tanto sirpirka「今日は晴れている」。形容詞と動詞の区別がない。たとえばporoは文脈により「大きい」と「大きくなる」の二つの意味をもつ。動詞にはかならず人称接辞がつく。ku-sina「私が・~をしばる」eci-sina「あなたたちが・~をしばる」あるいは「私があなたたちを・しばる」など。基本的な動詞には単複の語形変化をもつものがある。an「ある」oka「(複数のものが)ある」。基本的に接尾辞しかもたない日本語と異なり、接頭辞が発達している。sina「~をしばる」ko-sina「~に・~をしばる」yay-ko-sina「自分の体を・~に・しばる」。また接辞と動詞語幹の間に目的語などが挟み込まれることがある(目的語包合)。kina ku-kar「草を 私は・取る」に対して、ku-kina-kar「私は・草・を取る」そのため動詞が前後に長くなり、まるで文章のような単語ができることもある。si-e-apa-maka-yar「自分・について・戸を・開ける・させる」=「人に戸を開けてもらう」。
   [丹菊逸治]
 語彙(ごい)目次を見る
 日本語における漢語ほど多くはないが、隣接諸言語との間に古い借用語がみられる。アイヌ語rakko→日本語「ラッコ」。日本語「杯(つき)」→アイヌ語túki。ニヴフ語tlangi→アイヌ語tunakay→日本語「トナカイ」。また日本語の「神(かみ)」とアイヌ語のkamuy「神/自然」など借用語かどうか判別できないほど古い共通語彙もある。
 江戸時代には松前藩の政策によりアイヌ民族の日本語習得が阻害され、明治時代以降は逆に日本語の強要とアイヌ語への圧迫が行われた。文字を使用しない文化であったため、書物の翻訳を通じた語彙の増加もなかった。そのため近代的な語彙が不足している。たとえば時・分・秒といった単位を表す言葉だけでなく、「時間/時刻」という概念を表すぴったりの語そのものがないというケースもある。しかし、狩猟・漁労などに関する語彙は非常に豊かである。口承文学においては独特の語彙が用いられることもある。元来、造語能力の高い言語であり、語彙の全体像はつかめていない。
   [丹菊逸治]
 系統と類型目次を見る
 諸説あるが系統関係は不明である。類型論的には接尾辞の発達したトルコ語モンゴル語などのいわゆるアルタイ諸語的な特徴と、接頭辞の発達、名詞包合などチュクチ語などの古アジア諸語的な特徴の両方をもつ。
   [丹菊逸治]
 研究史目次を見る
 もっとも古いアイヌ語の記録は、不明確な日本古代の資料、元代の中国資料にみられる人名を除けば、17世紀のキリスト教宣教師アンジェリスによるものである。ほぼ同時期に日本の蝦夷通詞(えぞつうじ)による語彙集が成立している。日本の鎖国が終わり19世紀になると宣教師バチェラーによる文法記述が行われ、辞書が刊行されている。20世紀になると金田一京助が本格的な研究をはじめ、知里真志保(ちりましほ)に至って現代的な研究の基礎がつくられた。
   [丹菊逸治]
 『『知里真志保著作集』全6巻(1973・平凡社)』▽『『金田一京助全集 第5~12巻』(1993・三省堂)』▽『ポン・フチ著『アイヌ語は生きている』(1976・新泉社)』▽『ポン・フチ著『ユーカラは甦える』(1978・新泉社)』▽『ポン・フチ著『ウレシパモシリへの道』(1980・新泉社)』▽『北海道ウタリ協会編『アコロイタク アイヌ語テキスト1』(1994・クルーズ)』▽『中川裕・中本ムツ子著『エクスプレス アイヌ語』(1997・白水社)』▽『知里むつみ・横山孝雄著『アイヌ語会話イラスト辞典』(1988・窩牛社)』▽『服部四郎編『アイヌ語方言辞典』(1964・岩波書店)』▽『J・バチラー著『アイヌ・英・和辞典』第4版(1938・岩波書店)』▽『知里真志保著『分類アイヌ語辞典』(『知里真志保著作集』別巻Ⅰ・Ⅱ所収・1975~1976・平凡社)』▽『中川裕著『アイヌ語千歳方言辞典』(1995・草風館)』▽『萱野茂著『萱野茂アイヌ語辞典』(1996・三省堂)』▽『田村すず子著『アイヌ語沙流方言辞典』(1996・草風館)』▽『村崎恭子著『カラフト・アイヌ語』(1976・図書刊行会)』▽『久保寺逸彦著『アイヌ叙事詩神謡・聖伝の研究』(1977・岩波書店)』▽『知里幸恵著『アイヌ神謡集』(1978・岩波文庫)』▽『知里真志保アイヌ民譚集』(1981・岩波文庫)』▽『田村すず子編『アイヌ語音声資料1~11』(1984~ ・早稲田大学語学教育研究所)』▽『萱野茂著『カムイユカラと昔話』(1988・小学館)』▽『田村すず子著「アイヌ語」(『言語学大辞典 第1巻 世界言語篇(上)』1988・三省堂)』▽『片山龍峰編『カムイユカラ』(1995・片山言語文化研究所)』▽『上田トシ著『上田トシのウエペケレ』(1997・アイヌ民族博物館)』▽『萱野茂著『萱野茂アイヌ神話集成』全10巻(1998・小学館)』
 [参照項目] | アイヌ | アイヌ語地名
 [補完資料] | アイヌ語/おもな語彙と実用例
 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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