☵65〕─1─世界で売れる韓国製武器。売れない日本製武器。~No.488No.489No.490 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2021年12月15日21:41 産経新聞「韓国、豪に大規模防衛装備 中国配慮で腐心も実利
 韓国の文在寅大統領=オーストラリア・キャンベラ、13日(ロイター)
 【ソウル=桜井紀雄、シンガポール=森浩】韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領が15日までオーストラリアを訪問し、同国との大規模な防衛装備輸出の契約やハイテク分野に必要な鉱物資源の調達に向けた協力を取り付けた。豪州は韓国との連携強化で中国への牽制(けんせい)を狙う一方、文氏は中国を刺激しないよう腐心しつつも、実利を確保した格好となった。
 文氏は4日間の豪州訪問を終えた15日、「豪州と韓国は新型コロナウイルスサプライチェーン(供給網)の不安を乗り越え、新たな変化を主導していく」とSNS(交流サイト)に書き込み、訪問成果に満足感をにじませた。
 両国は文氏の訪問中、韓国企業がK9自走砲30門や弾薬運搬車両を豪州で製造する契約を締結。豪州側によると、契約は10億豪ドル(約800億円)に上り、豪州がアジアの国と結ぶ軍事分野の契約で過去最大とされる。自主国防力の拡充を掲げる文政権にとっては、防衛装備品の輸出で軍需産業の強化を図ることにも力を入れてきただけに、大きな成果だ。
 両国は豪州産鉱物の韓国ハイテク分野への輸出で緊密に協力することでも合意した。米中対立で供給網への不安が高まる中、韓国としては主力輸出品である自動車や半導体の素材の安定供給を図った。
 一方、豪州は中国の脅威を受ける中、10年間で2700億豪ドルを投じる軍備増強計画を進めており、今年9月には米英との安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じて原子力潜水艦導入も決めた。
 豪紙オーストラリアンは韓国との防衛装備契約を通じて安保分野での連携が深まる重要性を強調。日本との協力と同様、韓国への接近も中国への牽制につながる意味で「豪州の大きな利益となる」と伝えた。
 文氏とモリソン豪首相の会談後の共同声明には、南シナ海への海洋進出を強める中国を念頭に「両首脳はインド太平洋の安定が南シナ海などにおける国際法順守に懸かっていることを認識する」と記された。
 モリソン氏は「韓国は豪州が直面する課題を明確に理解し、信頼できるパートナーだ」と強調した。
 ただ、文氏は13日のモリソン氏との記者会見で、バイデン米政権をはじめ、豪州や英国、カナダが中国の人権侵害を理由に来年の北京冬季五輪に政府代表の派遣を見送る「外交的ボイコット」を決める中、「韓国は検討していない」と表明した。
 文氏は中国との経済関係の重要性や北朝鮮問題を進展させるために中国の協力が必要な点に言及し、「中国とも調和の取れた関係を維持するよう努力している」と説明。今回の豪州訪問は「中国に対する韓国の立場と何の関係もない」と、豪州による対中牽制とは一線を画した。
 文政権は自主国防力の強化を目指す方針の下、安全保障での米国依存一辺倒からの脱却を意図している。豪州とは安保・経済での連携を強化しつつも、対米・対中姿勢では路線の違いがむしろ鮮明となった。」
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 12月20日 MicrosoftNews 乗りものニュース「世界で売れる韓国製「K9自走砲」何がイイのか? 武器が売れない日本との違い
 オーストラリアが韓国と870億円の調達契約
 2021年12月13日、オーストラリアのスコット・モリソン首相と韓国の文在寅大統領がキャンベラで首脳会談を行い、韓国が開発した「K9」155mm自走砲とK9に弾薬を補給する「K10」弾薬供給車をオーストラリアへ輸出することで合意、同日K9およびK10のメーカーであるハンファ・ディフェンスと、オーストラリアの防衛資材機関の間で契約が締結されました。
 【目ヂカラが違う!】豪州向けK9「AS-9」を画像で見る
 韓国陸軍が運用しているK9自走砲(竹内 修撮影)。© 乗りものニュース 提供 韓国陸軍が運用しているK9自走砲(竹内 修撮影)。
 オーストラリアは陸軍の装備近代化計画を進めており、同国政府は2020年9月にハンファ・ディフェンスを新たな自走砲導入計画の優先入札者として決定していました。今回締結された契約はK9自走砲30門とK10弾薬供給車15両をオーストラリアに供給するという内容で、韓国の中央日報は輸出総額が9000億ウォン(約870億円)に達すると報じています。
 ハンファ・ディフェンスは2020年10月にオーストラリア向けのK9をベースにしたAS-9と、K10をベースにしたAS-10のコンセプトを発表していますが、AS-9とAS-10のCGには車内から機銃を操作できる「リモート・ウェポン・ステーション」と防御力を強化する増加装甲が装備されており、韓国陸軍で運用されている車体より能力が高くなるものと見られています。
 K9は、陸上自衛隊が運用している99式自走155mmりゅう弾砲と同じ1999(平成11)年に、韓国陸軍への配備が開始された装軌式自走砲です。主砲は99式自走155mmりゅう弾砲と同じ52口径155mm砲で、専用の弾薬供給車が同時に開発されている点や、自動照準装置を装備している点など、共通点も少なくありません。
 「使えない武器」の評価一変 「必要な武器」に?
 K9は2010(平成22)年11月に起こった北朝鮮による延坪島砲撃事件で初めて実戦に投入された際、北朝鮮陸軍に対して反撃ができなかったと報じられたため、現在でも日本のネットなどではK9に対する手厳しい意見も見受けられます。
 しかし、その後に当時の状況が明らかになっています。射撃訓練の直後に北朝鮮の攻撃が開始されたため、装填された弾薬がなかったことから初動の反撃は遅くなったものの、その後K9が反撃を行っていたことや、韓国軍の保有する敵の砲の位置を特定するレーダーに対して、北朝鮮が電子妨害を行っていたことなどです。このため、日本のブロガーや動画製作者などからの評価はともかく、K9は世界の兵器市場で高い評価を受けるに至っています。
 K9は2021年12月の時点で、フィンランドノルウェー、インド、エストニアの4か国に採用されており、エジプトとも輸出に向けた話し合いが進められています。トルコでは技術移転により国産化されているほか、K9そのものではありませんが、ポーランドが導入した装軌式自走砲「クラブ」にはK9の車体が使用されています。
 。© 乗りものニュース 提供 K9自走砲と同時に開発された専用の弾薬供給車「K10」(竹内 修撮影)。
 冷戦が終結した1990年代前半から約30年間に渡って、アメリカや西ヨーロッパ諸国の装甲車両メーカーは装軌式自走砲の新規開発をほとんど行ってきませんでした。このためK9が諸外国からの需要に応じられる数少ない自走砲であったことも、世界市場でのシェアを獲得できた理由の一つです。
 ただ、K9が海外でのシェアを拡大できた理由はこれだけではありません。
 現地条件や要望を取り込む韓国
 K9は配備後に能力向上改修を受けていますが、この際、火器管制装置のコンピュータとOSの更新も行われています。これらの更新は、そのコンピュータの生産中止とOSのアップデート終了により、維持コストの上昇が見込まれたために行われたものですが、メーカー側は当初、信頼性の高さを理由にコンピュータとOSの換装に消極的な姿勢を示していました。
 しかし、すでにK9を国産化していたインドと、K9の提案が行われていたオーストラリアの両国が維持コストの上昇に懸念を示したことから、韓国で防衛装備品の開発や調達、輸出を統括するDAPA(防衛事業庁)が、コンピュータとOSの更新を強行したのです。もちろんオーストラリアがK9を導入した理由はこれだけではありませんが、韓国政府が民間企業の反対を押し切って、導入にあたっての不安要素を打ち消したことも、今回K9とK10の輸出に成功した一つの要因であると見られています。
 © 乗りものニュース 提供 ヨーロッパや中東向けに開催された防衛装備展示会「ADEX2019」に展示された中東向け輸出仕様K2の試作車(竹内 修撮影)。
 一方で韓国は、K2戦車の輸出提案を行っていますが、ヨーロッパへの提案にあたっては増加装甲の追加などに伴う重量の増加に対応するため、韓国陸軍仕様のK2よりも大型化した仕様を打ち出しています。
 また中東のオマーン向けの提案では、韓国やヨーロッパに比べて高温な中東での運用を想定して、最大摂氏55度まで対応できる冷却システムを追加し、かつアラビア語にも対応した車両間で情報を共有するシステムを搭載するなどの改良を加えています。
 このように輸出対象国の懸念や要望を敏感に捉えた改良を厭わない点も、K9に限らず韓国製の防衛装備品が世界市場でシェアを拡大できている理由の一つだと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
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