👪35〕─1─日本で一番「幸せ」なのはどんな人達か。日本人のリアル。~No.102No,103No.104 

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 2022年9月23日 MicrosoftNews 東洋経済オンライン「日本でいちばん「幸せ」なのはどんな人たちなのか 1万人に聞いてわかった日本人の意外なリアル
 松下 東子
 © 東洋経済オンライン コロナ禍の中で見つけた穏やかで控えめな「幸せ」。今求められるマーケティングとは(写真:horiphoto/PIXTA
 景気の先行きも心配だし、マスク生活やレジャー自粛も息が詰まる。でも「幸せ」か、と聞かれれば悪くない毎日かも――。野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」では、1997年から3年ごとに日本の消費者のトレンドを追いかけているが、直近の調査では、景況感が悲観に振れたにもかかわらず、「幸福度」や「生活満足度」は伸びている。
 時系列の大規模アンケート調査をベースにまとめた『日本の消費者はどう変わったか』を上梓した著者が、コロナ禍の中でもしなやかに順応しながら、穏やかで控えめな「幸せ」を見つけている、現代日本の消費者の意識・行動や、今求められるマーケティングの方向性を解説する。
 コロナ禍でも「じわり」と増える幸せ実感
 2021年は、ほぼ一年中を、「緊急事態宣言」や「まん防」の中で過ごした年だった。年明けすぐからの第4波と夏の第5波、延期されていた東京オリンピックも無観客開催となった。
 外食も旅行も自粛自粛、そんな中で実施された生活者1万人アンケート調査では、健康不安の拡大や景況感の悲観、レジャー自粛のさまがはっきりと見られた。オンライン活動の伸びを除き、全体的に抑圧感のある数字が並ぶ。
 しかしその一方で、「幸福度」と「生活満足度」は上昇する結果となった。「あなたは普段どの程度幸福だと感じていますか」について「非常に幸福」を10点、「非常に不幸」を0点として聞いたときに、15~69歳日本人の平均点は、前回2018年の6.84点から今回2021年は6.97点へと上昇している。
 また、「あなたは現在の生活にどの程度満足していますか」についても、「満足している」計は77.2%から78.8%へと同じくわずかに上昇していた。日本人の幸せ実感は、「じわり」と増えているのだ。
 コロナ禍よりも前に同じような現象が見られたのが2012年、東日本大震災の後である。家族や友人などの大切な人たち、平穏な日常について、災害時にはそのかけがえのなさを改めて思い出すということのようだ。
 いろいろ不便はあるが、「世の中にはもっと大変な人がいる」「自分の大切な人は、元気でいてくれる」「今日も無事で過ごすことができた」という、まさに「足るを知る」という満足感が、このじわりと増える幸せ実感の一部となっているのだろう。
 10代では減少、20代で最も伸びた幸福度・生活満足度
 この傾向を年代別にみると、10代では唯一幸福度、生活満足度ともに減少、逆に、どちらも最も伸びていたのが20代だった。20代というのは、実は従来、幸福度も生活満足度も最も低い「谷」にあたる年代だ。
 親の庇護下で自由に過ごしてきた10代から、「新兵」として社会に投げ出され、荒波に揉まれるタイミングを迎える人が多いのが20代という年代だ。ただし、コロナ禍の3年間に関しては、オフピークやテレワークが推奨され、慣れない満員電車や職場の飲みニケーション、しんどい外回りも自粛。社会の荒波も防波堤にせき止められた穏やかなものとなり、船出時の衝撃が緩和されたということだろうか。
 一方で、本来ならレジャーに人づきあいにと青春を謳歌するはずだった10代は、それがコロナ禍により、すっかり台無しになってしまった。
 10代は毎日の生活に充実感があるか、の「生活充実感」の減少も目立っている。高校生なら学園祭などの行事をみんなで準備して達成感を味わったり、修学旅行や卒業旅行で思い出を作ったり、大学生なら部活動・サークル活動やコンパ・飲み会といった生活の充実感を構成する経験が持てなかったことが、幸せ実感の低下につながったとみられる。
 生活充実感は、実は60代、70代の高齢者もコロナ禍でダウンしている。仕事という社会生活の場を持っている割合の少ない高齢者も、外出や旅行の自粛によって、経験や活動、人とのコミュニケーションが減少することで生活の充実感に影響が出やすい。ただし、高齢者の方ではこれまでの人生経験から、「自分はまあ恵まれているほうだ」との「足るを知る」意識が働くが、10代の若者ではそのような俯瞰ができないため「幸せ」実感の低下に直につながるのだろう。
 いちばん「幸せ」なのは誰か?幸せの条件
 では、現代の日本でいちばん「幸せ」を感じているのはどのような人たちか? 幸福度スコアを層別に比較してみよう。
 まず、生活満足度・幸福度・生活充実感のすべてで、「幸せ」は年収に応じて高まっていく。「幸せ」を感じるためにお金がすべてとまでは言わないが、経済的状況は十分条件でなくとも必要条件であることは間違いなさそうだ。だからこそ、景況感が大きく悲観に傾いたコロナ禍で、「幸せ」を感じる人が増えたというのは、興味深い結果だった。
 そして、全体的に男性より女性のほうが「幸せ」実感が高く、生活の満足度や充実感も高い。世帯形態別では単身世帯が最も幸せ実感が低く、結婚し、子どもを持つことで高まっていく。
 最も高いのは、30~40代の子育て期の女性で、その中でも仕事をしている子育て女性で高い。特にフルタイム勤務をしながら子育てをしている女性では、生活満足度・幸福度・生活充実感のすべてが顕著に高く、家族、仕事や人との関わり、経済状況などすべてが充足されているようだ。
 逆に最も低いのが「ミドルエイジクライシス」にある50代男性だ。女性でも50代になるとやや幸福度スコアは下がってくるが、男性は特に50代を超えると生活の充実感が低くなりがちである。ややジェンダー論に寄ってしまうが、女性では家庭、趣味、人づきあいなど、仕事以外に充実感を感じる「拠り所」を複数持っている人が多いのに対して、男性ではそうでない人が多い。知命(50歳)を超えた男性にとって、いかに仕事以外の「拠り所」を見つけるかが、幸せ実感回復のカギになる。なお、男性では70代になると、幸せ実感はやや回復するようだ。
 「拠り所」の大切さについてよくわかるのが、シニアの状況だ。毎日インターネットを使用している「高頻度デジタルシニア」、月1回以上毎日未満しようしている「低頻度デジタルシニア」、ほとんど使わない「非デジタルシニア」で幸福度スコアを比較してみると、高頻度でインターネットを使いこなしながら社会とかかわり続けていけている層ほど高い。仕事をリタイアし、コロナ禍で外出を自粛したとしても、社会とかかわり続け、人とコミュニケーションを取っていくことが、「幸せ」実感には重要なのである。
 幸せの条件は、人とともに過ごすこと
 こうしてみると、幸せの条件は、経済状況に加えて「家族」や「人付き合い」など、ともに過ごせる人の多さに拠っているということになる。実際、週1回以上会話・連絡を取り合う人(直接会うだけでなく、電話や電子メール、SNSなどによるつき合いも含む)の種類が豊富であるほど、幸福度スコアが高いという結果が得られている。
 コロナ禍で人付き合いはしにくくなったが、テレワークの普及など働き方の柔軟性が増したことによって、家族との時間や余剰時間は増えた。改めて先行き長く続く「幸せ」実感を考えたときに、コロナ禍で生活様式が大きく変化した今だからこそ、家族や友人などとともに過ごせる大切な人を見つけること、そして、その大切な人たちとの時間を充実させていくことが求められる。」
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