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関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
日本天皇家が世襲として数千年前の弥生時代・古墳時代から今日まで護られてきたのは、伝承と継承、変わるべき事と変わらない事という伝統にあった、つまり本当の意味での正統派保守である。
何故、世界の王家・王族が世襲になりきれず滅んだのか、それは受け継がれてきた人間形成にあった。
日本の保守と西洋の保守は違う。
保守政党とされる自民党は、本当の正統派保守ではなく、便宜的な適当なエセ保守に過ぎない。
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日本の歌舞伎などの世襲家元制度には、科学的根拠があった。
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人種、民族の能力・才能は、遺伝子で決まっているが、そこには優劣、上等・下等は関係ない。
アフリカの自然で生きて行くにおいて、アフリカ人は有能で上等であるが、日本人や欧米白人は無能で下等である。
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現代日本では、親の貧富格差が子供の教育格差を生み出し、日本を衰退させ貧困度を深刻化させている。
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2024年6月23日 MicrosoftStartニュース AERA dot.「「やればできる」は遺伝学的には錯覚 「子どもには無限の可能性がある」と考えない方が良い心理学的理由
安藤寿康
© AERA dot. 提供
ふたご研究の第一人者で、行動遺伝学や教育学の専門家の安藤寿康さんは、「教育とは何か」「人はなぜ教育するのか」を生物学的な観点から研究している。「やればできる」は遺伝学的には錯覚だと指摘する安藤さんが、「教育は遺伝に勝てるか?」という究極の問いに迫る。
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■教育界が使い分ける、本音と建前
安藤さんの研究は、人間の能力やパーソナリティーに遺伝の影響がどれくらいあるかを明らかにするものだが、その結果は、教育のあり方を考える時の重要なエビデンスを提供する。
実は教育界では、遺伝の評判はすこぶる悪いらしい。「子どもは真っ白なキャンバスなのだから、育て方や教え方でいかようにも伸ばすことができる」という考えからすると、「あらゆる能力は遺伝的であり、遺伝によるセットポイントがある」というのは具合が悪いからだ。
しかし、イギリスやアメリカでは1960年代にすでに、知能(IQ)の遺伝率が高いことが報告されていた。
「たとえばアメリカは、1965年にヘッド・スタート計画という就学前の乳幼児の保育プログラムをスタートさせ、早期教育にお金をかけてきたんですが、ヘッド・スタート計画の成果に関する調査からわかることは、その教育を受けている時はIQが高まるが、しばらくすると元に戻る、ということでした」
安藤さんは1981年に大学院に進学。バイオリンの早期教育として知られるスズキ・メソードを研究するつもりだったが、指導教授の紹介で行動心理学にたどりつき、日本で研究を始めた。
IQのような「認知能力」に対して、「非認知能力」という言葉をよく見かける。意欲、粘り強さ、感情をコントロールする力、客観的思考力、リーダーシップ、協調性などがそれにあたるとされている。幼児教育でも「非認知能力を伸ばすのが大事だ」と言われる。安藤さんはこれにも疑問を投げかける。
「『非認知能力』は、心理学的には妥当性を欠くものだと僕は捉えているんです。要するに、お勉強ができることを『認知能力』、それ以外を『非認知能力』と言っているわけですが、『非認知能力』に分類されている、『自分自身をコントロールして、社会的に適切な行動をとる力』というのは、脳の前頭前野が主に司るもので、『認知能力』なんです」
「やればできる」は遺伝学的には錯覚 「子どもには無限の可能性がある」と考えない方が良い心理学的理由
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そこにはある種のごまかしがあるのではないか、というのが安藤さんの言いたいことだ。
「じゃあ、認知能力でないのは何かというと、その人のパーソナリティー、要するにキャラです。パーソナリティーの5割近くは遺伝で説明できて、神経質な人は訓練して神経質になったわけじゃないし、外向的な人は訓練して外向的になったわけじゃない。それを『非認知能力』とか言われると、ある環境にさらされていくと、みんなが大人が理想とする“いい子”に変わっていくかのように錯覚する。だけど、ヘッド・スタートが示すとおり、子どもにある環境を与えれば、その時はそこに適応するけど、独り立ちさせたら元のセットポイントに戻るんです。形状記憶合金みたいに」
近年は、遺伝子研究が大幅に進み、脳科学と結びついたゲノム脳科学も盛んになっている。それでもまだ、教育において遺伝の影響はあまり検討されず、「子どもは真っ白なキャンバス」という考えは根強いように見える。
「本音と建前、あるいは夢と現実を、教育界も親も使い分けているのではないでしょうか。本音のところでは真っ白なキャンバスでないことはわかっているが、それを言っちゃあおしまいよ、なので、白紙だとか無限の可能性だとか言った言葉づかいでごまかそうとしている。そうしないと救いがないと思い込んでいるのでは」
■人間は教育する動物である
それでは、安藤さんが考える教育とはどういうものか。
「教育というと、学校でおこなわれているようなことだと思われますが、教育という現象が一番素直にあらわれるのは、教室のなかではないと思うんです」
安藤さんは、テレビで取り上げられた、ある美容師を例に挙げた。その美容師はかつて、発達障がいのある子の散髪を引き受けた時に、バリカンの音で怖がらせてしまったことがあった。その後、専門的な知識を学び、発達障がいの子に髪を切らせてもらうスキルを身につけた。その美容室には、遠方からも親子が訪れるようになった。
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「これ自体いい話なのですが、それだけでなく、同じように発達障がいの子の散髪で悩んでいる美容師に、オンラインで教えてあげていたんです。で、教育って、そういうことなんじゃないかと。つまり、なにか課題を抱えていて、それを解決する方法を必要としている人のところへ、その課題に一足先に気づき、解決できる遺伝的な素質を持っていた人が、その知識や技能を運んでいった時に、『あ、まさにそれが欲しかったんです』といって、自然に受け渡しがおこなわれる。そんなことをやる動物は、人間しかいないんです」
学校との違いは、習う側に積極的な動機があることか。しかし、習いたいことがあらかじめわかっているとは限らないのが、教育の難しいところだ。
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6月23日 MicrosoftStartニュース AERA dot.「学力への影響は「遺伝」が50%、「環境」が30% 親が与える教育環境はどう作用するのか
安藤寿康 による
© AERA dot. 提供
親として、子どもの知能や学校の成績は気になるものだ。そして、賢く感受性豊かな子に育てようと、絵本の読み聞かせをしてあげたり、家庭教師や塾や予備校にお金を出すなどのいろいろな工夫をする。それは自分の遺伝子を受け継いだ子の幸福のために行う、本能的ともいうべきヒト特有の行動だと行動遺伝学研究者・安藤寿康氏は説明する。では、親が心を砕いて子どものために用意するこうした教育的な働きは、どのように結果に結びつくのだろうか。安藤氏の新著『教育は遺伝に勝てるか?』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、紹介する。
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■遺伝と環境を分けて考える
子育ての仕方が学業成績とどの程度関係しているかについては教育心理学や発達心理学、最近では教育社会学や教育経済学の研究者たちが、さまざまな成果を出してきています。たとえば親が子どもの自律性を尊重すること、しつけに厳しすぎないこと、読み聞かせをしてあげることなどが、子どもの学業成績と関係あるという結果が報告されています。
ただこうした研究はえてして親が原因なのか子どもが原因なのかの区別をしにくいという問題があります。親が子どもの自律性を尊重して子ども扱いせず一人前の人間として育てようとしているから子どもの成績がいいのか、子どもの成績がいいから自ずと親も子どもの自律性を尊重できるのかわかりません。さらにこれらの研究が扱っていないのが、まさに「遺伝」です。ひょっとしたら、親の知的で本好きな傾向が子どもに遺伝的に伝わったから、子どもの成績も伸びたのかもしれません。
行動遺伝学はこうした問題に、遺伝と環境の影響を分けて因果関係を示すことができます。
私たちの研究では、パーソナリティや発達障害・精神病理にはほとんどかかわっていない共有環境(親の育て方や家庭環境の違い)が、知能や学業成績には無視できないほどかかわっていることが明らかになりました。。これはとりもなおさず、同じ家庭で育ったきょうだいが、遺伝要因の個人差とは別に、環境の違いからくる影響を受けて、互いに似ているということです。そしてこれがだいたい学力の場合は30%くらいかかわっています。遺伝の50%には及びませんが、それでもかなりの効果量を持っているといえるでしょう。
特に学力の場合は、学校で習う勉強をする環境が家庭で与えられているかどうかが成績を左右します。当たり前のことですが、いくら算数や理科の成績に遺伝の影響が50%もあるからといって、生まれつき掛け算九九やつるかめ算や連立方程式を解けるわけはありませんし、ましてや遺伝子の中にリトマス試験紙が酸性だと赤くなるといった知識が書き込まれているはずはありません。ヒトはそれらを学ぶ環境に置かれたときに、脳の中にそれを理解し問題を解くための何らかの変化を起こします。それを起こしやすい神経ネットワークや神経伝達物質の分泌を、その子どもがもともとどの程度、遺伝的に持ちあわせていたかの違いが、遺伝の影響として算出されるわけです。その前提として、そもそも「それらを学ぶ環境」がどのように、どの程度あったかも影響するのは言うまでもないことです。
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安藤 寿康 あんどう・じゅこう
1958年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学名誉教授。教育学博士。専門は行動遺伝学、教育心理学、進化教育学。日本における双生児法による研究の第一人者。この方法により、遺伝と環境が認知能力やパーソナリティ、学業成績などに及ぼす影響について研究を続けている。『遺伝子の不都合な真実─すべての能力は遺伝である』(ちくま新書)、『日本人の9割が知らない遺伝の真実』『生まれが9割の世界をどう生きるか─遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋』(いずれもSB新書)、『心はどのように遺伝するか─双生児が語る新しい遺伝観』(講談社ブルーバックス)、『なぜヒトは学ぶのか─教育を生物学的に考える』(講談社現代新書)、『教育の起源を探る─進化と文化の視点から』(ちとせプレス)など多数の著書がある。
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MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「親と子の遺伝子はけっこう違う!…生物学者が明かす、子どもを「生き残っていけるヒト」に育てる「意外な方法」
小林 武彦 の意見
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子どもが将来安泰であるように育てたい。……子育てにおける最大のテーマといえるでしょう。
生物学者の小林武彦さんは、子どもを「生き残っていけるヒト」に育てるためには生物学的に「シニア」の存在が重要だと言います。
(本記事は小林武彦『なぜヒトだけが老いるのか』を抜粋、編集したものです)
「ガラガラポン」の仕組みを持つ生き物が生き残る!
「シニア」は、いい教育者でもあります。
教育の目的は、人を育てること。文化や知識・技術を継承し、社会を維持するためのルールを教えます。
これに加えて生物学的には、「多様性の実現」という目的もあります。機械のように同じような人間を作っても、変動する環境や社会情勢の中で、将来まで生き残っていくことは難しいのです。いくら有性生殖で遺伝的な多様性を確保しても、画一的な価値観や生き方を押しつけたら、意味がありません。
歴史を見ると、その中心的な人物はそれこそ大河ドラマが作れるくらい個性的な人が多いです。常識を打ち破れる型破りな人が時代を変え、時として世の中を飛躍的に進歩させるのです。
人を形成するものは遺伝と環境です。遺伝は偶然決まるので、どうにもなりません。「本当は、私は鳥になりたかった」と言ってもしょうがないのです。諦めましょう。別の自分になりたい人は第7章でお話しする「メタバース(仮想空間)」をご活用ください。ただ鳥のどこに憧れているのかがわかれば、そのことを「ヒトとして」実現することは可能です。鳥のように空を飛びたいのであれば、パイロットになる道もあるのかもしれません。
もう少し細かい話をしますと、遺伝には両親の遺伝情報がランダムに選ばれミックスされて子に伝わる仕組みがあるので、似ているところもありますが、必ず親とは違います。ヒトの場合、46本ある染色体の23本がランダムに選ばれて精子や卵ができます。その種類は、2の23乗で約800万通りとなります。
それがまた同じだけの種類がある卵や精子とランダムに受精するので、70兆種類の受精卵ができます。実はさらに精子や卵を作るときに「組換え」と言って染色体自身をつなぎかえて新しい組み合わせを作る仕組みもあり、これでもかと言わんばかりに親と違う遺伝子の組み合わせ、つまり多様な子孫を作る仕組みがあるのです。生物学的に言うと、こういう「ガラガラポン」をする仕組みを持つ生き物が、生き残れてきたのです。
女性だったり男性だったりという身体的な遺伝は「運任せ」で仕方がないとしても、「環境」は変えることができます。「環境」の中でも人の形成に最も影響を与えるのは、言わずもがな「教育」です。教育は家庭、学校、地域が担っていますが、中でも幼少の頃の大半を過ごす家庭の影響力が大きいです。
ただ、多様性、つまり個性を育てる教育は、親にはなかなか難しそうです。個性を育てるためにはまずその子の特徴を掴まないといけないのですが、親はどうしても保護的で保守的になりがちで、人と違うこと、個性的になることは、どちらかというと好まない傾向があるようです。つまり没個性的であることが社会でうまくやっていくための「こつ」でもあると考えている親が多いようです。
そのため、他の子供と比べたり、成績の順位など、同じ基準での比較を重視します。冒険やチャレンジは奨励せずに「普通」にやってほしいと考えがちなのが親、特に日本人の親(?)の一般的な特徴でしょうか。すみません、これは私見です。
そこで「シニア」の登場です。彼ら彼女らは親子より関係が薄い分、客観的にその子(人)の個性を発見できます。多少のリスクがあっても得るものがあると判断した場合には、新しいことにチャレンジさせることもできます。つまり、親にはできない「個性を育てる教育」に適した人材なのです。
この場合のシニアの候補は、学校の先生であったり、祖父母であったり、スポーツ少年団のコーチ、近所(地域)の見識のある大人、親戚などなどです。
あるいは直接会わなくても、有名人であったり、スポーツ選手やユーチューバー、研究者であったり、に憧れて「そうなりたい」と思うのは、教育を受ける上での大きな動機となります。若いスポーツ選手であっても、子供にとっては十分シニアです。
教育は生きていく上でのスキルのみならず、希望と勇気とを与える大切な行為です。その中でシニアの役割は、最大級に重要です。
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ベストセラー『生物はなぜ死ぬのか』の著者・小林武彦氏の待望の最新作『なぜヒトだけが老いるのか』は、ヒトだけが獲得した「長い老後」の重要な意味を生物学で捉え、「老い」の常識を覆します!
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