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現代人はアメリカ生まれのホモ・サピエンスの子孫ではあるが、数十万年の時を経て遺伝子は変化して、人種・民族によって異なる。
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2024年12月4日6:04 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「日本人と欧米人は「腸の中」まで違っていた!ゲノム解析によって判明した「人種」と「腸内細菌」の関係
「お腹の調子が悪くて気分が落ち込む」という経験がある人は多いのではないだろうか。これは「脳腸相関」と呼ばれるメカニズムによるものだ。腸と脳は情報のやりとりをしてお互いの機能を調整するしくみがあり、いま世界中の研究者が注目する研究対象となっている。
【画像】「日本人はアメリカ人より発症率が高い」…「大腸がん」の「驚くべき事実」
腸内環境が乱れると不眠、うつ、発達障害、認知症、糖尿病、肥満、高血圧、免疫疾患や感染症の重症化……と、全身のあらゆる不調に関わることがわかってきているという。いったいなぜか? 脳腸相関の最新研究を解説した『「腸と脳」の科学』から、その一部を紹介していこう。
*本記事は、『「腸と脳」の科学』(講談社ブルーバックス)を抜粋、編集したものです。
ヒトの腸内にいるおもな4つの細菌
私たちヒトを生物分類の階級に従って表記すると、動物[界]、脊椎動物[門]、哺乳[綱]、サル[目]、ヒト[科]、ヒト[属]、サピエンス[種]となります。
つまり、界、門、綱、目、科、属、種の順の分類階級があります。この分類階級は、進化の過程をたどることのできる道しるべです。
同じ階級に属している生物同士は、性質も似通っています。例えば、ヒト科に属している生物にはチンパンジー属やゴリラ属があります(図2─1)。
メタゲノム解析によって、ヒトの腸内マイクロバイオータもこのように分類することが可能になったのです。解析の結果、ヒトの腸内マイクロバイオータの99%以上は、細菌界における以下の4つの門が優勢であることがわかりました。
1ファーミキューテス門(Firmicutes:名称がBacillotaに改訂された)
2バクテロイデス門(Bacteroidetes:名称がBacteroidotaに改訂された)
→ヒトの腸内に多く存在する腸内細菌の代表格で、腸管免疫に影響を与える
3アクチノバクテリア門(Actinobacteria:名称がActinomycetotaに改訂された)
4プロテオバクテリア門(Proteobacteria:名称がPseudomonadotaに改訂された)
※文献等では旧名称が用いられることが多いため、本記事も旧名称で統一します。
保有しているヒトは非常に少ないのですが、その他、フソバクテリア門(Fusobacteria)やウェルコミクロビウム門(Verrucomicrobia)、ユーリアーキオータ門(Euryarchaeota)などの細菌も含まれています。
なお、日本人の腸内マイクロバイオータは、紹介した4つの門の細菌が90%以上を占めていますが、人種によって少し異なります。欧米人では、4つの門に加えて、ウェルコミクロビウム門とユーリアーキオータ門が加わりますが、日本人ではこの2門は極めて少ないです。
住む地域や人種で大きく変化する
このように、住む国や地域、さらには人種によって腸内マイクロバイオータは、大きく変化するのです。
なお、ヒトと他の動物、例えばマウスやラットなどと腸内マイクロバイオータを比較すると、その組成は大きく異なります(図2─3)。
そのため、マウスやラットを用いた実験結果を、そのままヒトに当てはめて考えることには注意が必要です。また、体内では胃から大腸に向かうにしたがって、周囲の環境(酸性度や酸素濃度)が大きく変化します。それに合わせ、腸内マイクロバイオータもその組成と数が大きく変化します(図2─4)。
ちなみに、私たちヒトの腸内マイクロバイオータの中でも、消化吸収を補助したり、免疫を活性化したりする有益な作用をする細菌として、ビフィズス菌や乳酸菌が知られています。
これらは「善玉菌」とも呼ばれ、ビフィズス菌は、先ほどの3のアクチノバクテリア門に、乳酸菌や酪酸を産生する細菌は1のファーミキューテス門に属します。
一方、私たちの体に対して悪影響を及ぼす代表的な細菌として、1のファーミキューテス門に属するウェルシュ菌やブドウ球菌などがあり、「悪玉菌」とも呼ばれます。
そして、健康なときには大人しくしているけれど、体が弱ってくると、腸内で悪さをするような細菌も私たちの腸内マイクロバイオータには存在します。このような細菌は、「日和見菌」とも呼ばれ、ファーミキューテス門に属するレンサ球菌や、4のプロテオバクテリア門に属する毒を持たない大腸菌やピロリ菌、カンピロバクターなどがあります。
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初回<なぜ「朝の駅」のトイレは混んでいるのか…「通勤途中」に決まって起こる腹痛の正体>を読む
坪井 貴司(東京大学大学院総合文化研究科教授)
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9月19日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「なぜ「朝の駅」のトイレは混んでいるのか…「通勤途中」に決まって起こる「腹痛」の正体
坪井 貴司東京大学大学院総合文化研究科教授
「お腹の調子が悪くて気分が落ち込む」という経験がある人は多いのではないだろうか。これは「脳腸相関」と呼ばれるメカニズムによるものだ。腸と脳は情報のやりとりをしてお互いの機能を調整するしくみがあり、いま世界中の研究者が注目する研究対象となっている。
腸内環境が乱れると不眠、うつ、発達障害、認知症、糖尿病、肥満、高血圧、免疫疾患や感染症の重症化……と、全身のあらゆる不調に関わることがわかってきているという。いったいなぜか? 脳腸相関の最新研究を解説した『「腸と脳」の科学』から、その一部を紹介していこう。
*本記事は、『「腸と脳」の科学』(講談社ブルーバックス)を抜粋、編集したものです。
「ストレスでお腹が痛くなる」ときに起きていること
私たちがストレスを感じると、喉が渇き、手には汗をかき、手足が震えはじめ、心拍が速くなります。この反応もホルモンによって調節されています。
具体的には、たとえば「満員電車に揺られて職場に行くことを考えるとお腹が痛くなる」といった状況では、この副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが私たちの視床下部から分泌されます。
そのしくみを順に説明しましょう。
ストレスによって分泌されるこの副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンは、ちょうど家の扉の鍵のような役割をします。そして、その扉の鍵穴として1型と2型の2種類の受容体があります。
鍵穴に鍵を挿入して、扉を開けて家に入るように、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンがその受容体に結合すると、ニューロンの機能が調節されます。
たとえば、胃や十二指腸の運動を支配している迷走神経には、2型の受容体が発現していて、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを感受すると胃や十二指腸の運動を抑制します。
一方、1型の受容体は、結腸や大腸の蠕動運動を支配する副交感神経に発現しています。そして、この副交感神経を活性化して結腸や大腸の蠕動運動を促進します(図1─8)。
では、ストレスでお腹が痛くなり、緩くなる場合を考えてみましょう。
ストレスによって分泌された副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンは、1型の受容体を発現している副交感神経に作用し、その結果、結腸や大腸の蠕動運動がさかんになります。そのため、お腹が痛く、緩くなってトイレに駆け込みたくなるのです。
「ストレスで胃が痛む」ときに起きていること
次に、大事なプレゼンテーションや試験の直前になると、胃に石が入っているかのように重く感じ、胃が痛む、といったケースを考えてみましょう。
体の中では何が起こっているかというと、ストレスによって分泌された副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが胃や十二指腸を支配している迷走神経の2型の受容体に結合して胃の運動を抑制してしまいます。そのため、消化不良が起こり、胃が痛むのです。
なお、人によって1型と2型の受容体の発現量やその機能に違いがあるため、胃が重く感じるだけの人もいれば、逆にお腹が緩くなるだけの人もいます。中には、胃も重たくなり、お腹も緩くなる人もいます。
視床下部からの副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌は、通常は私たちの睡眠・覚醒リズムと同じように、体内時計による約1日の分泌リズムがあります。
具体的には、体内の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌量は、朝に高く、夜になるにつれ低くなるという変動をしています。そこにストレスが加わると、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌量がさらに増加します。
つまり、もともと体内の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン濃度の高い朝に、ストレスによって副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンがさらに追加されると、体内の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン濃度はさらに高くなります。
そのため、朝にストレスを感じると腹痛や下痢といった症状が起こりやすくなるのです。
朝にストレスを感じると腹痛や下痢といった症状が起こりやすい photo by gettyimages
さらに悪いことに、満員電車の中で突然腹痛が起き、途中で下車してトイレに駆け込んだ、というエピソードがトラウマになってしまうと、「今日も満員電車に乗ると、また突然腹痛が起きるのではないか」と不安を強く感じます。
すると、脳の中では副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンの分泌がこれまで以上に増加してしまい、さらに下痢がひどくなってしまうのです。
駅のトイレが朝に限っていつも混んでいるのは、このような理由が考えられます。
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さらに続きとなる記事<腸内に潜む「隠れた臓器」…「腸」と「脳」をつなぐマイクロバイオータが「体」と「心」に及ぼす驚きの影響>では、「脳腸相関」について詳しく解説しています。
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