🗾12〕─3・②─広島県廿日市市の冠遺跡。5万年~4万年前の中期旧石器時代の石器。~No.60 

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 2025年10月2日 YAHOO!JAPANニュース テレビ新広島「日本最古の石器を発見 日本列島の人類の歴史が5000年さかのぼる!?冠遺跡発掘調査にかける研究者たち
 広島県廿日市市の遺跡で「日本最古」とみられる石器が発見されました。人類の歴史が変わるかもしれない今回の発見。ロマン漂う調査現場を緊急取材しました。
 【野川キャスター】
 「廿日市市吉和です。私が今いるあたりが冠遺跡群という遺跡なんですけれども、こちらで作業が進んでいます。この遺跡が日本の歴史に一石を投じるかもしれません」
 発掘作業
 山に囲まれた廿日市市吉和の冠遺跡。
 この場所で調査を行っているのは、奈良文化財研究所の国武貞克さんです。
 国武さんは去年、日本で最古と言われている旧石器時代のおよそ3万7000年前の石器よりも、さらに、5000年古い地層から石器を発掘しました。
 発掘された石器
 見つかった石器は縁がギザギザに加工され、先は尖っています。
 およそ5万年~4万年前に中国大陸や朝鮮半島で使われていたものと同じ特徴をしています。
 国武さんは「世界の人類学にとっても非常に画期的な発見」だといいます。
 【奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員】
 「日本列島の人類の歴史が5000年さかのぼっていることがこの遺跡で初めて分かったので、しばらく驚きが大きすぎて夜眠れないことが昨年の調査中にありましたね」
 奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員
 【野川キャスター】
 「Q:作業はどういうことをするのか?」
 【奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員】
 「ここが4万2300年前の地層で確かであると『放射線炭素年代測定』という分析で年代を出しているんですが、それ以外の地質学的な科学分析で地層の年代をより確かめていく」
 石器が見つかった地層の年代をより確かなものにするため、国武さんたちは先月追加の調査を実施。連日、地質学の専門家などが参加しました。
 火山灰考古学研究所:早田勉所長
 地層の断面をけずって調べているのは火山灰の専門家です。
 【火山灰考古学研究所:早田勉所長】
 「Q:どういう作業をするのか?」
 「今から5センチごとに(土を)サンプリングするんです」
 「Q:土が粘土状?」
 「そうですよね。こういう粒度も気候に関係があるのでいろんな情報が得られるといいですよね。3万年前の火山灰は大体わかっているのでそれより古い火山灰が見つかるといいなと。遺跡の断面に時計の目盛りを入れるようなもの」
 地層の年代だけでなく、当時の気候などもわかるといいます。
 一方、遺跡周辺の石を調べているのは、自然災害などを研究する専門家です。
 【京都大学防災研究所:山崎新太郎准教授】
 「土がどういう環境でできたのかを調査しています。石器の起源になる石と石器の起源ではない石の2種類があって、それぞれの特徴を分析しようということで、調査をしていました」
 見学会
 期間中、一般公開もされていて、雨が降る中、多くの人が現地を訪れていました。
 【見学者は】
 「地元で発見されたのがまず嬉しいですし、(当時)どういう生活をしていたのかロマンがありますよね、考えるだけで」
 広島県立歴史博物館:杉山歩夢さん
 調査には休日を利用して発掘の手伝いに来ていた広島の歴史博物館の学芸員も…。
 「こんな日が来るとは」と胸を躍らせます。
 【広島県立歴史博物館:杉山歩夢さん】
 「休みを使ってきているんですけども仕事ではなくて。それくらい掘りたくて来ていて、うきうきした気持ちです」
 「Q:石器が相当あるなと思うが?」
 「昔の人がこの場所で石器をつくっていたら石器が飛び散るのでまとまりがあるのかもしれない」
 先月末で現地調査は終了し、今後はそれぞれの専門家が分析を進めていくことになります。
 奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員
 【奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員】
 「考古学的にどのような石器が出土したかについてデータを整理し、地質学的な分析、たくさんサンプルをとっていただいていますので、それぞれ研究者に進めていただいて結果が出たらそれを検討する。1年くらいはかかると思います」
 しかし、一体なぜ、山に囲まれたこの場所で石器が見つかったのか?
 【奈良文化財研究所・国武貞克主任研究員】
 「平な土地で地形的に盆地の中で水が湧きやすい場所が何カ所かあって、乾燥した旧石器時代には貴重な水源になっていて植物が繁茂して草食動物が集まる理想的な当時の一等地と言えます」
 岡山大学・稲田孝司名誉教授
 旧石器時代に詳しい岡山大学の稲田孝司名誉教授は、年代の確実性は高いと指摘します。
 【岡山大学・稲田孝司名誉教授】
 「十分に調査、試掘されていて、地層や文化の石器の移り変わりが大筋わかっている。従来わかっているものから一歩さかのぼる、もう一歩さかのぼる、こういうやり方でこの調査はきている。だから信用ができる。従来のもとつながりがある」
 人類が日本列島にたどり着いた時期を知る上でも貴重な手がかりとなる今回の発見。
今後の研究が注目されます。
 取材にあたった野川さんの解説です。
 【野川キャスター】
 今回の大きな発見は、考古学の視点だけでなく、地質学の専門家も加わって科学的な分析も行うなどかなり慎重な裏付けが進められています。
それもそのはず、旧石器時代の研究は2000年に発覚した宮城県内の考古学研究家による「旧石器捏造事件」の影響を受けて停滞を余儀なくされてきました。
 自分で石器を埋め自ら掘り出して発見したように見せていた、この自作自演の事件は当時、大きな問題となりました。今回の研究でそうした疑念を払拭し、研究を大きく前進させることができるか、注目されています。
 現在は日本列島に人類が到達したのは「後期」旧石器時代のおよそ3万7000年ごろだとする説が有力ですが、今回見つかった石器はそれよりも5000年さかのぼるということで、「中期」旧石器時代にあたります。
 今回見つかった石器は5万年~4万年ほど前に東アジアで使われていた石器と似た特徴をしています。人類は朝鮮半島の方からやってきたのか、それとももっと日本には古い文化があってそれが発展してきたのか、今はいろんな可能性が考えられるということで、今後の研究に、一層期待が高まります。
 広島ニュースTSS
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