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2023年8月25日 MicrosoftStartニュース AERA dot.「「男性脳・女性脳」神話が生きづらさを生む 今こそ決別すべき本当の理由
川口穣
「男性脳・女性脳」神話が生きづらさを生む 今こそ決別すべき本当の理由
© AERA dot. 提供
男性は○○が苦手、女性は○○が得意――。男女で得意分野が異なる「男性脳・女性脳」という言説を、一度は耳にしたことがあるだろう。だが実は、科学的根拠がない。考え方のアップデートが必要だ。AERA 2023年8月28日号から。
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男性脳・女性脳言説は多くの場合、決して男女間の差別や対立をあおるような意図をもって論ぜられるわけではない。
「脳の男女差を理解すればコミュニケーションが円滑になる」
「脳の構造に起因する男女差を生かして、それぞれの得意分野にあった環境を用意したほうが、生産性が上がる」
そんな「狙い」が背景にある。女性活躍や女性登用を目的とした企業研修などでも、男性脳・女性脳が持ち出されることは多い。しかし、男性脳・女性脳言説に根拠らしい根拠はない。そして、男女の性別役割分担を強化する懸念が大きい。
臨床心理士で脳の多様性尊重(ニューロダイバーシティ)を推進するプログラム作りなどを担うNeurodiversity at Work代表の村中直人さんもこう指摘する。
「個人差の方が大きい脳の男女差を持ち出して男女で得意分野が異なることを前提とすると、個別最適化が妨げられます。本来は個々人が自分にあった働き方をして自分に適した役割を担うべきなのに、そうできない、つまり個性が生かされる社会がやってこないのです。さらに、こうした根拠のない性別によるカテゴライズは、『男なのに地図が読めないなんて恥ずかしい』とか、『女のくせになんで共感性が低いのか』という発想につながります。本来は不要な生きづらさを生んでしまうんです」
人間の脳や能力を石に例えると、個々人で大きさも形もさまざまだ。それを画一的な形態に押し込めて積み重ねる「レンガモデル」より、それぞれの形や大きさを生かして組み合わせる「石垣モデル」に考え方や社会の仕組みをアップデートさせるべきだと村中さんは言う。
「多様性の尊重」は、既に社会の大原則として理解されつつある。多様性とは、男性と女性の「得意」を役割分担することではなく、個人の「得意」を役割分担することに他ならない。男性脳・女性脳神話からの決別のときだ。(編集部・川口穣)
※AERA 2023年8月28日号より抜粋
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