👪10〕─1─人の思考と行動には右脳型と左脳型が存在する。脳内物質。~No.60No.61 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 1981年 ロジャー・スペリーは、左右分離脳を研究してノーベル生理学・医学賞を受賞した。
 左右脳の働きは独立し、右脳は創造脳で、左脳は分析脳である。
 2000年 エリック・カンデルは、スペリーの左右分離脳説を否定する脳の仕組みに関する新しいモデルを構築し、左脳と右脳に働きの差はない事を証明してノーベル生理学・医学賞を受賞した。 
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 2015年8月2日号 サンデー毎日「加齢に伴う『もの忘れ』や『記憶力の低下』に不安を感じる人も多いのではないだろうか。脳を使わない生活を続ければ、脳の老化はどんどん進む。専門医が語る『脳』を知り、視点が変われば、あなたの思考と行動は今日から変化するに違いない。……
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 脳は左右で働きの違いがある
 右脳=感性の脳。想像力、発想力。芸術的な感覚。他者の表情や感情を読みとる機能。
 左脳=論理の脳。言語能力や論理的な思考。計算などの理数系の能力。
 脳は50代から鍛えよ
 『左脳』『右脳』という言葉は聞いたことがあるだろう。左脳には言語能力を使い、未来に向かって合理的に考え、進歩していくための機能が集積する。つまり〝論理の脳〟といわれる。一方、右脳は、現在起こっていることに対して周囲の人と調和し、現実に注意を集中して対応する。〝感性の脳〟とされるのだ。
 『物事を判断する時、左脳と右脳のより多く使っている方が、自分の型だといえるでしょう』と、話すのは、都立駒込病院脳神経外科の篠浦伸禎医師。
 『左脳型は、〝物事の本質は何か〟が出発点。歴史上の人物でいえば、ガンジー織田信長エジソンなどがそう。信念や理念があって、その目的を達成するために常に闘っていく。右脳型は周りとの関係性に主体をおきます。例えばナポレオンや西郷隆盛坂本龍馬など、〝現実・現場主義〟なんです』
 まずは自分にどちらの思考グセがあるか、知ることから始めよう。篠浦医師自身は左脳型で『医療の本質は何か』と考える時、『患者を主体にすべき』という思いがあった。そこで脳の『覚醒化(患者に意識がある状態)手術』を取り入れ、患者の様子を見ながら手術を進めることで、術後の障害を最小限に食い止めてきたのだという。さらに、脳の各部位が持つ役割がわかるようになり、人にはそれぞれ『得意な脳の領域がある』との理論を確立した。
 どちらの脳がいい、悪いではない。思考グセを活かしつつ、最終的に脳全体を使いこなすこと。鍛える方法は、左脳・右脳で異なる。
 右脳型は人に心を開かせるのが得意であるから、優れた人に接して教えを請うのがいいという。例えば『右脳型の坂本龍馬は、左脳型の勝海舟と出会って脳が開花した』と篠浦医師はみる。龍馬が『西洋に対抗するために、日本は何をすべきか』という左脳的思考を持つようになったからだ。
 左脳型は、志が同じ『仲間』を作るのが一番なのだとか。仲間を作る行為は、右脳を使うこと。何か意味がないと人間関係を作れない左脳型は、幕末の新撰組のように『仲間と問題解決に向かう』ことが、脳を丸ごと使うポイントだという。
 『体と同じで脳も50代から鍛えないと、年齢があがるにつれて古びます。怒りっぽくなったりね。もちろん食事や運動などで脳を鍛える方法もありますが、それはベースの力を上げるだけ。一番大切なことは、仕事や家庭で直面する問題やストレスに対し、〝脳全体を使っていくこと〟に尽きます。解決した時に喜びの脳内物資も出て、脳が使えるようになっている。逃げ続けてはダメ』(篠浦医師)
 脳力アップが自らの成長につながり、社会で良い結論も生み出していくという。
 あなたは左脳か右脳か 当てはまった項目が多いほうが、より使っている〝脳〟
 左脳タイプ
・物事を論理的に考える。
・仕事の志を強く持つ。
・客観的データを集めるのが得意。
・細かな計算が苦にならない。
・量よりも本質を突いた仕事がしたい。
・物事に当たる際、行動する前に検討する。
・人から反対されても、信念、主義を貫く。
・片付けが苦手。
・怒りや憎しみがエネルギーになることがある。
・『頑固』と言われたことがある。
・初めて作る料理はレシピ通りに行う。
・規則を破ることに罪悪感を感じる。
・計画、約束を守らないなど、ルーズなことは嫌い。
 右脳タイプ
・ムードメーカーと言われる。
・集団のなかでは中心で仕切りたいほう。
・データより直感を大切に、決断が早い。
・なんでも『とりあえず』やってみる。
・交友関係は広く浅い。
・趣味や恋愛など、好きなことにのめり込む。
・絵画、音楽など芸術性に優れ、物語、伝記が好き。
・頼られるとエネルギーがわいてくる。
・敵味方を瞬時に判断し、ひとめぼれしやすい。
・『声が大きい』と言われたことがある。
・集中力がある。
・日本的文化や経営スタイルに惹かれる。
・細かいことにはこだわらず、忘れっぽい。
 ホンダは左脳、トヨタは右脳
 人間関係を重視し、相手のためにという『おもてなし』精神の日本人は右脳に強い人が多い。篠浦医師はと『日本企業では右脳型リーダーを、左脳型が支えるという組織が世界に勝てる道ではないか』提案する。
 『トヨタ創業者の豊田喜一郎は右脳が主体な上に、左脳にも優れたタイプ。トヨタの企業全体が、現場から問題点や本質を学ぶ力がある。そして一丸となって顧客中心に取り組むでしょう。顧客中心というのは、いい製品を安く作るということ。そのためには無駄を省くなど、合理性、システム化が必要になる。つまり右脳をベースに左脳まで使っているのです』
 戦後に発展した企業は、ホンダやソニーなど左脳型が多いという。確かにホンダの創業者、本田宗一郎は『世界一になる』という理念からスタートしている。
 左脳が強くなり過ぎると、イスラム国のように『信念が違う者は抹殺せよ』と、他者への攻撃姓が強くなる。特に砂漠はオアシスをめぐって争いがおきやすく、信念がなければ規律も保てないという。一方、右脳のみを使うだけでも、日露戦争後の日本のように合理性を失い、破綻の道に・・・。
 左脳と右脳、どちらの脳も使えるようになることが人生の、組織の『最終目標』といえる。
 今日から脳を変えよう 
 驚くべきことに、『見た目の印象と脳の健康度は一致』していることが多いという。同じ60歳でも、身なりがきちんとしている人は脳に若さが保たれている。一方、よれよれの格好の人は、実年齢より10歳以上年をとっていると思うほどの脳萎縮が見られるそうだ。
 東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、これまで16万人におよぶ脳のMRI画像を身てきた経験から『人に会うと、その人の脳が見える』と話す。
 『まさに〝体は脳を表す〟です。身なりに頭を働かせられるから脳が健全なのか、その逆なのか。因果関係はわかりませんが、相関関係があるのは確かです。同年代でも、驚くほど脳画像に差が出るのです』
 なぜ差がついてしまうのか。同研究所では5歳〜80歳と幅広い年代の脳画像、生活習慣、認知力、遺伝子という膨大なデータを集めてきた。瀧教授は、長年の研究成果を『生涯健康脳』(ソレイユ出版)にまとめ、7月下旬に出版する。
 『脳はどのように発達し、老化するのか。脳の発達にいいことと、加齢を防ぐ方法がテーマです』
 面白い『子供脳』 
 18歳以下の子供や孫がいる人は、よく聞いてほしい。実は子供の脳データを集積しているところは少なく、同研究所では東洋一の数を誇る。データ解析の結果、脳は『全てが同じように発達していくわけではない』ことが判明した。脳の形、機能(IQなど)は5〜7割は遺伝で決まるという。しかし、最低3割は本人の努力次第で変えられるのだ。
 『まず基本的に大事なことは、睡眠と朝食です。8時間程度寝ている子は、5、6時間しか寝ていない子に比べて、海馬(記憶をつかさどる中枢)の体積が大きいことが分かりました。また、朝食でごはんを食べている子の方が、砂糖が多いパンやシリアルを食べている子より、IQ(知能指数)が高い結果も出ています』(瀧教授、以下同)
 さらに、子供の言語や運動機能を発達させるためには、適した時期がある。
 『子供の脳はいろいろな道が作られているのです。それがある時期に達すると、使われない道が壊されていく。10歳までに海外に行けば、その国の言葉が非常に楽に獲得できます。10〜12歳が言語習得の臨界期、その後は不要な道が壊されてしまうため、英語の聞き取りも難しくなります』
 運動や楽器演奏などは、3〜5歳が伸びやすい。幼い時から本人のやる気を伸ばして練習を重ね、オリンピック選手に成長させるのは、脳の発達を最大限活かしているといえるだろう。
 脳にいいこと、悪いこと
 18歳までに多くの体験をさせることで、脳にさまざまな道ができて、頑強な脳となる。例えるなら認知症は脳の道がなくなっていくこと。強い脳であれば、多少の〝道がなくなる〟リスクは超えていくことができる。
 『では年配の方がもう遅いかといえば、そんなことはありません。少しずつでも、脳は確実に変化します。今、認知症予防の習慣や食べ物の情報があふれていますが、科学者の立場から申し上げると、エビデンス(根拠)のないものが多いですね。つまり誰がやっても同じ効果があるとは限りません』
 瀧教授がおすすめする方法は3つだ。一つは運動。激しい運動は組織破損が起きるため、30分程度の散歩などがいいという。二つ目は好奇心をくすぐる『趣味』をもつことだ。新規なものが難しければ、昔やっていたピアノや囲碁などでもOK。最後は、社会との関わり。定年後も趣味仲間やボランティア活動を通じて、社会と接点をもつことが重要だ。『この3つは科学的に見ても、認知症のリスクを確実に下げます』と断言する。
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 『これまで好奇心や趣味もなく、運動もしてこなかった。しかし、もし健康脳でありたいなら、今からできることを始めましょう。脳には機能を回復させる〝可塑(かそ)性〟があるのです』
 趣味があると幸せを感じ、幸福感は余命を伸ばすと科学誌でも発表されるようになった。
 脳萎縮させないために
 1,飲酒をほどほどに。
 2,肥満はNG(特に内臓脂肪は要注意)
 3,動脈硬化を食い止める。
 健康脳をつくる
 1,1日30分の運動。
 2,昔取り組んだことをもう一度。
 3,社会と関わる。
 記憶の秘密
 『30分以内の昼寝習慣がある人はボケにくい』
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 午前中に知的活動を行うのがいい。慣れ親しんでいることよりも、『新分野へのチャレンジ』が脳を活性化させるポイントだ。
 『例えば囲碁が得意な人が、毎日しているから脳は大丈夫と言うなら、それは間違い。将棋はできるのか、と。上のCheck1と2をやってみましょう。頭が混乱しますよね。〝頭を使う〟〝観察する〟というのは、そういうことです』
 (あなたの脳は動いているか?Ceck1、描く方の手元を絶対に見ずに、利き手でない親指を描いてみよう。できる限り、正確に描くことに挑戦。もう一枚に、実際に指を見ながら描く。実は後者の方が観察が適当で、リアルに描けていないこともある。Ceck2、二人で向き合って同じ動き。……)
 あるジャーナリストもこう言っていたという。
 『高齢者には〝きょういく〟(今日行くところ)と〝きょうよう〟(今日の用事)が必ですい』
 男性は集団で群れるのが苦手であるが、同窓会や趣味の集まりなどを通じて人と接することが大切。
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 〝幸せ〟を感じる脳内物質
 最近やる気が出ない。楽しいことがない。どこかに行くのが億劫・・・という気持ちがあるだろうか?
 『それは脳の機能が衰えている症状です。心は、脳がつかさどる。脳の機能が低下すれば、心も元気をなくしてしまうのです』
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 〝幸せ〟脳内物資の活性ポイント
 セロトニン(共感)
 ・早起き、朝日を浴びて、身体を動かす。
 ・しっかり噛んで食事をする。
 ・呼吸法を意識する(カラオケ、読経、座禅、気功など)
 ドーパミン(学習)
 ・没頭できる作業(趣味、スポーツ)がある。
 ・目的のある旅を楽しむ。
 オキシトシン(愛情)
 ・好きな人〝夫婦、恋人、孫〟との触れ合い。
 ・見返りを求めず、人のために親切にする。
 ・家族や友人と団らんを楽しむ。
 ノルアドレナリン(仕事)
 ・自立の気概を持つ。
 ・攻めの姿勢でも、疲れた・飽きたらすぐやめる。」
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