- 作者:リチャード・ワイズマン博士
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2015年6月27日 週刊現代「『運』の正体
脳科学が解き明かす『ツイてる人』のヒミツ
運のいい人は幸運を捉える『ポジティブ脳』を持っている
ポジティブな脳。黒川氏によれば運・不運は誰の身にも公平に起きているという。脳の状態が活発な人は、その中からポジティブな要素を見つけやすくなる。
ネガティブな脳。脳内神経物質が足りないと意欲や注意力が落ち、物事の幸運な要素を見逃しやすくなる。その結果として、不運な出来事が多いように感じる。
『脳科学的に「運のいい人」というのは、脳が活性化されている人です』と語るのは、脳科学者の黒川伊保子氏だ。
『人間は普段、意識に上る以外の様々な出来事を感知しています。その中から、自分に有益な情報をキャッチする能力に優れた人ほど運がいい。
例えば探し物をしている最中に、以前失くした別の探し物を見つけた経験のある人は運がいいタイプ。運の悪い人は、目下の探し物に熱中しがちで、別の探し物が目に入っても気が付きにくい。
こうした能力には、セロトニンやドーパミンといった脳内神経物質が作用しています。これらは、毎日の早寝早起きと適度の運動だけで、よく分泌されます。脳科学的には、幸運に必要なのはまず健康的な身体なのです』
……
偉人・成功者たちの『運』にまつわる言葉
ニッポンの偉人30人で検証
成功者は『運』が良いのか?
『自分は運が良かった』と語っている人、25人。
吉田茂、岸信介、田中角栄、松下幸之助、豊田英二、本田宗一郎、阿久悠、渥美清、森繁久彌、朝永振一郎、他
特に運について言及していない人、5人。
佐藤栄作、美空ひばり、黒澤明、長島茂雄、大鵬。
……
勝負の『流れ』を作るものとは
運を呼ぶためには考えることを捨てる
雀鬼会 会長桜井章一『運というのは漂っているだけのものです。それを「掴みたい」と思うのは、人間の欲です。掴もうとするから、するりと逃げていく。
空を見上げていると、雲は流れてひとときも停滞しない。曇り空はやがて晴れる。快晴も続くわけではない。運も同じです。ひと所に留まらない。そう思っていれば、勝ち続けても浮かれないし、ツキがないときでも焦ることがなくなる。
確かに麻雀は、運に左右されやすいゲームです。配られた牌はすべてに平等ではないし、相手の手牌も見えない。不条理がいっぱい詰まっている。
では、どうやって流れを呼び込むのか。雀士として長年培った経験から言えば、考えることを捨てるということです。人は考えると、悩む。悩めば身体が硬くなり動くが鈍る。力を抜いて、感覚で打つのが大切なんです。それが運に近づくもっともうまいやり方だと思っています。
私が運というものの存在を一番近くに感じるのは、ピンチのときです。もうダメだというところを切り抜けられて初めて、運に触れることができたと感じる。運とはそういうものだと思います』
運とは『使い果たすもの』だろうか
経営者に必要なのは『不運』への対処法
サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋『会社の経営には運の要素は確かにあります。ただ、経営者にとって大切なのは「運の要素をいかに少なくするか」という部分だと思います。
成功確率が5分5分おいうリスクの高い仕事で失敗するのは、不運でもなんでもない。それはただの博打うちのすることで、経営者のすることではありません。私は勝算が8〜9割だと思ったときだけゴーサインを出します。それでも残りの1〜2割は何があるか、分からない。例えば、天変地異があったり、欧州で金融不安が起こったりします。そこまでいったら、初めて経営上の不運と呼べるかもしれません。
私は、そういった不運が起こるというところまで頭を回しているかが重要だと思っているんです。
よく周囲からは「藤田くんは運があるね」といわれます。でも私の場合、成功できたのは運があったからではなく、1〜2割の不運の確率を、できる限り下げようと努力してきた結果として、得たものなんです』
……
不運とはいったい何だろうか
……
大きな幸運があったり、ツキが長く続いたりした後に、『これで一生分の運を使い果たした』『これからツキを払わされるのではないか』と不安になった経験のある人はいないだろうか?だが、それは杞憂だという。
『脳科学的には運に総量というものは存在しません。逆に、ツキすぎているからといって、未来を心配することのほうがよくないのです。不安や疑心がネガティブな思考を作りだし、その結果、不幸な出来事ばかりに注意がいく。そうすると本当に不運になってしまいます。ですから、一瞬一瞬の幸運を幸運として噛みしめればいいんです。そうした無邪気さこそが、脳の神経回路をポジティブに保ち、さらなる幸運を呼び寄せるのです』(前出・黒川氏)
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自然災害多発地帯の日本における運とは、他から偶然舞い込む運と自分で引き寄せる運がある。
大陸に於ける運で多いのが、神の恩寵・神の恵み・神の奇跡・神の思し召し・神の予定などである。
運や不運、幸福や不幸は、同じ人間であっても、ローカル日本とグローバル大陸では異なる。
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松平定信「もとより喜びあれば、憂ひ有る事は環(たまき)のまはるが如く、得(う)ては失ひ、失へば得るのことわりにして、めぐりくる事」(『退閑雑記』)
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自然災害に襲われる事は多発地帯・日本で生きる以上、避けられない定めである。
災害に巻き込まれる事は、不運でもなければ、不幸でも何でもなく、単に自然の摂理というしかない。
助かるか死ぬかは、自分で走って、逃げ切れるか逃げ切れないかでしかない。
もし死ぬとしたら、そういう運命、定めであったという事である。
生まれ持った定めとして受け入れた。
その理不尽さが納得できなくとも、定めとして納得し受け入れて前に進むしか道がなかった。
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