👪8〕─1─ロスジェネ中年。女性脳は共同生活。~No.50No.51No.52No.53 

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 産経新聞iRONNA「 同じ「ロスジェネ中年」でも女性が凶悪犯罪を起こさないワケ
 『谷本真由美』 2019/09/27
 谷本真由美(コンサルタント兼著述家)
 ここ2~3年ほどの間、日本では40代もしくは50代の子供が70代や80代の親と同居し、親の年金や収入に頼る「8050(7040)問題」や、就職氷河期に正社員になれず、40代、50代の現在もフリーターや非正規雇用の社員として厳しい生活を送っている「ロスジェネ問題」が話題になるようになりました。
 団塊やそのちょっと上の世代の80代の親たちが、高齢化して病気がちになったり、要介護になったり、亡くなる例が増えてきた、また、子供たち世代が若いとは言えない中年世代になり、将来の先き行きに不安を実感するようになったのが原因でしょう。
 かくいう私も大学を出たのが1998年で、就職氷河期ど真ん中世代であります。
 同級生の大半は公務員になったり、インフラ系企業に就職、もしくは学生時代のアルバイトの延長からマスコミ系企業の社員になる、当時盛り上がりつつあったネット業界で働き始めるという感じです。
 ほとんどが正社員で採用されてはいるのですが、その後会社が傾いて格下の企業に転職したり、かなり厳しい業績目標にさらされてヒーヒー言っているなど、数年前の世代や、今の20代に比べると不利な条件で働いているという状況であります。しかし、仕事があるだけでもありがたいのですが。
 私の場合は大卒後アメリカの院に進学して、新卒ではありましたが、中途採用みたいな感じでネット業界に入って日本と海外を巡回しておりますので、ロスジェネの典型的な就職パターンとはかなり違う道を歩んでおります。
 しかし、私も同級生たちも、ここ5年ぐらいの間に親が亡くなったり、要介護になったり、体調が悪化したり、自身も血圧や血糖値が上がって老いを感じるようになったりと、時の流れを考えてしまう年齢になり、さらに子供と親の介護費用の板挟みで、自分の老後はどうなるのかと不安だらけであるので、ロスジェネ的な悩みにどっぷりであります。
 さらに気になりますのが、ここ最近日本で起きている凄惨(せいさん)な事件の容疑者が、40~50代で、まさに自分と同じロスジェネ世代であることです。
 例えば川崎20人殺傷の岩崎隆一容疑者(51)=被疑者死亡のまま書類送検京都アニメーション放火事件の青葉真司容疑者(41)、あおり運転・暴行の宮崎文夫容疑者(43)などです。
 これらの事件の原因を、彼らがロスジェネ世代で就職できなかったからだ、社会の先行きが見えないからだという陳腐で型通りの批判で済まそうとは思いません。しかし、こういった事件の容疑者が男性で、引きこもりや周囲とのトラブルがあり、現状や将来への不安により精神が不安定になったという要素もないとは言えないでしょう。
 しかし、ロスジェネと申しましても、男性も女性も同じような悩みを抱えております。
 なぜ男性が関与する事件ばかりが目立つのか?
 海外でも大量銃撃や凶悪犯罪などに女性が関わることは男性よりも少ないわけですが、潜在的不安やつらさを抱えた日本のロスジェネ世代も、外に暴発するということはないようです。
 たしかに40代女性がダンプで牛丼屋に突っ込んだという事件は耳にしませんね。しかし非正規雇用の70%は女性で、平成29年の国税庁の調査によれば、非正規の女性の年間平均給与は151万円という貧困レベルで、生活は相当苦しいはずです。
 しかし、女性は暴発はしない。これは日本では新卒就職するはずだった1998年頃でも「どうせ女の子だからお嫁に行くのよね。派遣でもいいわよ」といわれ、親も親戚も特に期待せず、職場でも補助的な仕事ばかりあてがわれ、最初から社会のカースト外だったというのがあるでしょう。
 最初から期待されない分、男性のようなプレッシャーにはさらされず、「派遣なの」「契約なの」と言っても飲み会で「そうなんだ~」と言われるだけで、厳しい視線にはさらされない。最初からあきらめ状態だった分、男性よりは貯まる怒りも少なく、親には介護要員と期待されることもあり、自分の感情を抑制して忍耐強く生きている人が多いからでしょう。
 境遇はつらいですが、日本のロスジェネ女性たちは柳のように柔軟で強いです。つらい中でもささやかな楽しみを見つけ出します。
 家は丁寧に掃除され、服にはアイロンをかけて、100円ショップで見つけた季節を感じさせるインテリアを部屋に飾って、クーポンを活用して友達とおしゃべりしながらワイワイと気晴らしをします。私が知っている女性ロスジェネ世代はそんな感じです。
 高齢になった女性たちや、夫を先に亡くした女性たちも同じですが、女性はやはり男性よりも逆境に強く柔軟だと思います。そんなことを言うなんて差別的だと言われるかもしれませんが、やっぱり女は、料理とか、ちょっと掃除がうまくいったとか、友達との他愛もないおしゃべりとか、爪を塗ってみるとか、そういう細かいことで気晴らしをするのが上手ですし、社会的地位にはあまりこだわらない人が多いです。
 男性を見ておりますと、同窓会や会合で、われ先にと仕事や地位の自慢を始め、名刺を交換し、男性同士の飲み会では自分がいかに強いか、金があるかということをマウンティングし合います。それは女の世界ではあまり見られないことです。男性には手芸とか爪を塗るとか、部屋を飾るという小さな楽しみで満足する人があまりいませんね。そういう違いが、ロスジェネ世代の男性の暴発を生んでいる気がしてなりません。
 しかしながら、ロスジェネ世代の女性も今後の生活のためには自衛が必要です。女性の柔軟性と頭の良さを駆使して対策を取りましょう。住宅ローン、夫、子供を抱えてない分、対策が取りやすいという利点もあります。
 まず私がおすすめしたいのが、ロスジェネ世代の女性同士で同居することです。
 イギリスには50代以上の独身女性だけが住めるシェアハウスがあります。庭とキッチンとリビングは共同で、部屋は別ですが、気が向いたときにおしゃべりしたり、庭を手入れしたりという風に過ごします。一軒家をシェアしていますから家賃も格安です。何かあったら他の人に救急車を呼んでもらえます。
 60歳以上とか70歳代になると高齢者用アパートに移る人もいますが、そこもシェアハウスのような作りのことが多いです。違いは常駐の看護師がいたりすることです。
 また、私の知人の80代日本人女性は、女友達と一軒家を買って20年ほど前から二人で住んでいます。気心知れた友達なので気兼ねもなく、病気のときはお互いに看病しあっています。
 一緒に住むのは別に親族でなくても構わないのです。女性は柔軟ですし、男性みたいなマウンティングもしないし、身の回りのことはちゃんとする人が多いので案外うまくいきます。家賃も光熱費も節約になりますし、何よりも生活に張り合いがでます。
 2点目は非正規雇用だからと諦めずに、勉強継続してスキルを身に着けて転職したり、副業で稼ぐことです。
 例えば事務職だった方がデータベースの作り方やLAN(ローカルエリアネットワーク)の組み方を学んで、情報システム部も兼ねた総務部員として働けば、キャリアの選択肢がぐんと増えます。中小企業や地方の職場、福祉施設等は案外そういうデュアルなスキルを持った人がいないので重宝されます。そういうスキルの組み合わせ、さらに人が足りていないところを探します。今は人手不足なのでチャレンジすればチャンスは巡ってきます。
 副業に関しては仕事をしながら家でもできることにコツコツ取り組むこと。1カ月に稼げるのが1万円でも2万円でもあれば大成功です。チリも積もれば山となるでコツコツやっていけばお金はたまります。
 動画に広告をつけて配信する、手作り品をネットで売る、絵を書いて売ってみる、アンケートに答える、自分の得意なことをブログに書いて広告を付けてみる。とにかくなんでも構わないのです。トライアンドエラーでとにかくやってみて、うまくいきそうな方向を見つけて注力する。その繰り返しです。
 3点目はとにかくお金を貯めることです。年をとっても年金だけでは生活はできないので、とにかくお金をためること。そして「タネ銭」がたまったら運用することです。ただし株は素人には難しいので大手の会社のインデックスファンドに投資をします。毎月少しずつでも構いません。
 さらに生活を「ダウンサイジング」する方法を考えます。ダウンサイジングとは縮小するという意味です。例えば賃貸に住むのをやめて、住んでいた人が高齢化して空き家になっている中古住宅を購入して住んでみる。リフォームはDIY(日曜大工)でも可能な物件もたくさんあります。
 こういう家は首都圏の通勤圏にかなりあります。自分は一室に住んで他の部屋の他の人に貸すという方法もありでしょう。値段が安いので貯金で買えることもあります。」
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