☴4〕─3─ダッカ日航機ハイジャック事件。北朝鮮日本人拉致事件。主体思想と日本人過激派。~No.13  

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。  
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
 日本国憲法が、過激派テロリストのダッカ日航機ハイジャック事件北朝鮮の日本人拉致事件を許した。
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 リベラルな日本人が好む「一人は万民の為に、万民は1人の為に」は、ウソである。
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 1990年9月 自民党の実力者金丸信社会党副委員長の田辺誠は、北朝鮮の日本人拉致事件が取り沙汰されるのな北朝鮮を訪問し、拉致事件に一切触れず媚びるような態度を通した。
 革新派の日本社会党日本共産党そして自民党内のリベラル派と多くの保守派も、日本人拉致事件には興味も関心もなく、解決する意思はなかった。
 何故なら、日本人拉致事件解決を訴えても、企業からの政治献金は得られないし、選挙区での当選に有利にならないからである。
 各政党内で、日本人拉致事件解決に動いている政治家は変人とされ冷遇され窓際に追いやられ不遇をかこつていた。
 メディア・報道機関も、日本国民さえも、日本人拉致事件などどうでも良かったのである。
 問題は、貧困化して餓死者が出ている北朝鮮国民を如何に救うかであった。
 日本人は、口では真面な事を言ってもそれは世間体としての建前で、本音は面倒には関わりたくない薄情で冷淡で冷血であった。
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 アメリカ大統領で、日本人拉致事件解決に真剣に取り組んでくれたのはトランプ大統領だけであった。
 日本人拉致事件解決の為にアメリカ政府を動かせたのは、トランプ大統領安倍晋三首相だからであった。
 もし、日本国総理が安倍晋三ではなく別の誰かであったら、トランプ大統領はもちろんアメリカ政府も日本人拉致事件問題の説明を聞かず門前払いとして相手にしてはくれなかった。
 安倍晋三首相であったからこそ、トランプ大統領拉致事件に関与するように説得でき、アメリカ政府に拉致事件解決を目指す日本政府を後押しするように動かす事ができた。
 その為に、トランプ大統領アメリカ政府の駐留米軍費用増額・高額兵器購入・貿易問題・集団的自衛権発動を含む安保関連法案成立・辺野古米軍基地移転などのごり押しを、国内批判を承知で受け入れた。
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 2020年8月号 Hanada「蒟蒻問答 堤堯/久保紘之
 朝日新聞は監視国家を望むのか
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 情けない自民党
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 日本の甘さが拉致を生んだ
 堤 『めぐみちゃんに早く会いたい』と言っていた父親の横田滋しげる)さんが87歳で亡くなった(6月5日)。無念は察するに余りある。三桁に及ぶ自国民が拉致され、尖閣諸島竹島のように領土も掠(かす)め取られる状況にある。あのに日本はロクに反撃もできない。舐められているからだ。
 横田めぐみさんが拉致されたのは1977年11月15日。同年9月28日に、日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件が起きている。
 犯人は人質の身代金として600万ドル(当時のレートで約16億円)と、日本で服役・勾留中(こうりゅうちゅう)の仲間6名の釈放を要求した。当時外事課長だった佐々淳行に聞いた話では、政府内では『要求を呑めば、今後さらに日本は人質を取られるようになる』という声が出ていた。佐々淳行も同じ意見だ。
 なのに、時の総理・福田赳夫が『人の命は地球より重い』として犯人の条件をほぼ丸ごと呑んで、9名を釈放し、身代金も支払った。その後、案の定というか、北朝鮮による拉致が始まっている。
 久保 当時、僕は現役で取材していたんですが、ハイジャック犯に手渡した金の要求額に細かい1円単位の端数(はすう)がくっついていたのに気づいた。何だこれはと訊いたら、『服役中に犯人が働いた報酬だ』と言うんですよ。僕はそれを聞いた途端、あまりのアホらしさに目眩(めまい)がしましたね。
 堤 日本の甘さが拉致を生んだんだ。
 横田滋さんの葬儀のあと、妻の早紀江さんと2人の子息の3人が記者会見に応じた。こもごも夫や娘、父や姉への思いを語った。聞くほどにこちらの涙腺も緩んでくる。
 とりわけ印象に残ったのは、双子の弟たちの言葉だ。拓也さんは、父・滋さんの北朝鮮への激しい怒りに接した思い出を話した。
 『お酒を飲みながら、「(拉致を認めた)金正日(キムジョンイル)は許さない。ボコボコにしてやりたい」と言うと、父は「それだけではすまない」と言った。
 私たちの何百倍も頭にきていたはずだが、表に出さなかった。ホントウに強い父だった。目のなかに入れても痛くないほど、姉をかわいがっていた。どれだけ会いたかったかと思うと、悔しくて仕方ない』
 一方の哲也さんはこう言った。
 『金正恩(キムジョンウン)が前の政権(父・正日)の悪行を否定して生まれ変わっていれば、資金や物資をドンドン流入して国民も豊かになり、拉致問題も解決して拉致被害者家族も幸せになれた。
 すべてがウィン・ウィンの関係になれた。にもかかわず、彼はやらなかった。ほんとうに愚かなリーダーだと思います。
 一番悪いのは北朝鮮だが、拉致問題が解決しないことに対して、ジャーナリストやメディアの方だ「安倍総理は何をやっているんだ」という方もいる。「北朝鮮問題が一丁目一番地」と掲げていたのに何も動いていないじゃないかというような意見を目にするけど、安倍総理や安倍政権が問題なのではなくて、40年以上も何もしてこなかった政治家や、「北朝鮮が拉致なんぞするはずがない」と言ってきたメディアがあったからこそ安倍総理、安倍政権が苦しんでいるんです。
 安倍総理、安倍政権は動いて下さっています。何もやっていない方が政権批判をするのは卑怯だと思います。的外れの発言をするのはやめてほしい』
 これを聞いて思いだした場面がある。前原誠司(国民民主党)が国会で安倍に迫った。
 『北方領土問題、拉致問題・・・いろいろ掲げたけど、何も進んでいないじゃないですか。どう思います?』
 そういうお前は、外務大臣(官直人政権)として何をやった?何もしていないじゃないか。議員としてやったことはといえば、八ッ場(やんば)ダムの工事中止と、希望の党を発足させた小池百合子のスカートの下にヤドカリよろしく潜り込んで議席にしがみついただけじゃないか。
 安倍ほど拉致問題に尽力・腐心した政治家はいない。横田滋さんの訃報で取材に駆けつけた記者らを私邸に迎え、安倍は言葉を詰まらせ、涙を滲(にじ)ませて答えた。
 『滋さんや早紀江さんが、めぐみさんを抱きしめる日が来るように全力を尽くしてきたが、実現できずに断腸の思いだ。申し訳ない思いでいっぱいだ』
 その涙が悔し涙でもあることは、日本人なら誰もが察するはずだ。
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 現代日本人と昔の日本人は別人の日本人である。
 責任を取る覚悟で発言して行動する日本人は2割、無責任な発言を繰り返して行動せずに邪魔する日本人は3割、空気・空気圧力・同調圧力で責任も取らず覚悟もなく流されるように行動する日本人や発言も行動もせずに傍観だけの日本人が5割。
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 日本人が変わり始めたのは、1977年9月28日のダッカ日航機ハイジャック事件からであり、1980年代後半から変化が速くなり、1990年頃にはその変質ぶりが目に見えるようになり、2000年以降はハッキリと分かるようになった。
 その象徴が、社会党自民党連立内閣と民主党内閣であり、同じ穴のムジナである。
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 現代日本人は惻隠の情を持ちあわれを知しり誰にでも優しく助けたくなる、はウソである。
 現代日本人の本性は意地悪で、薄情、非情、冷淡、冷酷、冷血で、自分より弱い相手・反撃してこない相手には容赦なくイジメを繰り返し、SNSなどに誹謗中傷や罵詈雑言を大量に流して自殺に追い込んでも後悔しないし反省もしない。
 現代日本人は、言葉で人を殺す。
 彼らは正義の徒を自称して、正義の名の下に相手を追い詰め、そして自殺に追い込んでいる。
 それが偽らざる日本人の本性である。
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 現代日本人と昔の日本人が別人の日本人に変質したのは、1977年9月28日の日本赤軍によるダッカ日航機ハイジャック事件からである。
 現代日本人が自慢する、日本人の美徳や優秀さ、武士道の潔さと勇敢さ、日本の心や志や気概そして優しさや物の哀れや惻隠の情は、見せ掛けの張り子の虎、虚像、つまりウソである。
 その傾向は、言葉巧みな高学歴出身知的エリートに強い。
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 戦争を知っている人間がいる間は戦争をしないが、戦争を知らない人間が増えると戦争の危機が増加する、はウソである。
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 日本には、同じ日本人の命より周辺諸国への忖度を重視する日本人が存在する。

 2020年8月号 Hanada「朝鮮半島通信 重村智計
 追悼・横田滋さん
 安倍晋三首相の孤高の功績と外交官、新聞記者の無責任
 犯罪的な社会党の拉致対応
 6月5日、拉致被害者家族の横田滋さんがなくなった。妻の早紀江さんと家族は記者会見で、安倍晋三首相に『長い間そばで支えてくださった』と述べた。だが、この発言をテレビや新聞は報じなかった。
 拉致被害者家族は息子や娘、兄弟の行方がわからなくなり、10年も悩み、心を痛めていた。自分たちの家族が北朝鮮におる事実を確認したのは30年以上前。1988年9月6日、拉致された有本恵子さんと石岡亨さんが『平壌で暮らしている』との手紙を、命がけで家族に送ってきた。
 大半の新聞、学者、政治家は信じなかった。特に酷かったのは、日本基督(キリスト)教団だ。悩み苦しむ人のための教団が拉致問題に取り組むどころか、拉致に否定的言動を展開し、北朝鮮支援を優先した。
 政治家で最も酷かったのは、当時の社会党土井たか子委員長だ。有本さん夫婦は、地元である兵庫の土井たか子委員長に相談した。手紙も見せたのだが、なんと土井氏はその手紙の写しを朝鮮総連に渡し、北朝鮮に送った。最後まで『拉致はない』と言い続けた。
 被害者家族は、外務省や社会党親北朝鮮人士など多くの人に相談したが、誰も聞いてはくれず、逆に『騒ぐと命がなくなる』と脅された。安倍晋三氏(当時は安倍晋太郎外相の秘書官)だけが、一緒に付き添って各官庁や関係部署を回ってくれた。
 横田滋さんら家族は、苦悩の末に『黙っていても殺されるのなら、声をあげたほうがいい』と決断し、97年に『北朝鮮による拉致被害者家族連絡会』を発足。ここでも、政治家では安倍氏だけが全面的に支えた。
 2002年にキムジョンイル総書記(当時)が拉致を認めるまで、岩波書店の雑誌や和田春樹教授は『拉致はない』との主張を書き続けていた。和田教授はことあるごとに安倍首相を批判し、『安倍首相は拉致問題を解決できない』などという本も出しているが、そんなことを言う資格はない。
 共同の朝鮮報道は要注意
 朝日新聞を中心としたメディアは、北朝鮮の拉致を疑う特集を掲載し、真実を解明しようとしなかった。いま読み返すと、当時の社説や論説は酷いものばかりだ。私は所属していた毎日新聞の論説会議で『北朝鮮の犯行だ』と説得するのに苦労した。『「数十年後に毎日は嘘を書いた」と必ず批判される。責任をとるか』などと反論された。意外に思われるかもしれないが、テレビ朝日拉致問題の報道に積極的だった。
 だが、そのテレビ朝日の『報道ステーション』では、横田さん逝去のニュースのなかで、共同通信編集委員の太田昌克氏が、太田均アジア局長が拉致交渉においてあたかもすごい外交を展開したかもような発言していたが、事実とは違う。
 田中氏は、帰国した拉致被害者北朝鮮に送り返すように主張したのだ。『帰さないと大変なことが起きる』と強硬な姿勢だったが、当時官房副長官だった安部氏が『あなたは日本の外交官か、北朝鮮の外交官か』と問い詰め、ようやく引き下がった。
 さらに田中氏は、首脳会談本交渉で小泉純一郎首相(当時)に『拉致は主権侵害だ』と、金正日総書記に主張させなかった。日本の要求は『拉致被害者の安否情報』だけ。『帰せ』とも要求しなかったのだ。
 もしこの時、小泉首相が『拉致は主権侵害だ。国際法に従って解決すべきだ』と金総書記に言えば、拉致の国際法上の解決は『原状回復』だから、北朝鮮拉致被害者全員を帰さざるを得なかった。
 小泉首相に『主権侵害』を言わせず、外交敗北を招き、国民の命を見捨てた。このどこが『水面下の静かなすばらしい外交』なのか。官僚や政治家の宣伝発言を疑わない、政治部記者特有の〝御用聞き〟というしかない。太田氏は、田中氏が秘密交渉の記録を残さず、隠蔽したことを知っているのだろうか。
 共同通信平壌に支局を置いているが、特派員の常駐は許されていない。多額の『支局経費』も北朝鮮当局に支払っている。国連安保理制裁違反だ。だから『共同は北朝鮮に批判的な記事は書けない』、共同通信記者の北朝鮮発言は『要注意』と、朝鮮問題の専門記者たちは見ている。
 『赦しの信仰』を学ばない
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 2020年8月号 Hanada「澄哲録片片  青山繁晴
 同胞、はらからとは何か
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 北朝鮮との密約
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 日本国は今から18年近く前に拉致被害者のうち5人のかたを取り戻している。周知の通り、小泉純一郎総理と安倍晋三官房副長官らの電撃訪朝(西暦2002年9月17日)によって金正日総書記が初めて、北朝鮮の国家機関が日本国民を拉致したと認め、翌月にまず5人が遂に帰国された。
 帰国された5人から、日本は何を知ったか。中身は見事に伏せられている。しかし北朝鮮にとってそれはほぼ関係ない。インテリジェンスをはじめ日本政府に何を掴(つか)まれるかだけが、独裁者の心配の種である。
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 北朝鮮の不法活動と内情に知悉(ちしつ)していない人であることを条件に、外務省の田中均アジア太洋州局長と北朝鮮のミスターXこと、国家安全保衛部の柳京副部長が『5人ぐらいを帰す』と密約を交わし、あとは犯人である北朝鮮が勝手に被害者を選んで、曽我さんを含め5人を揃えたというのがインテリジェンスの分析である。
 田中局長の主導下で小泉総理は『一時帰国だけ』という言葉を喪(うしな)うような約束まで北朝鮮にしていたという怖ろしい事実もある。
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 18年前に何が起きたか
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 西暦2002年の10月、5人が羽田空港へ帰国されたときのこと。
 家族会の代表として出迎えた横田滋さんは、自らの娘は取り残されているのに、こころの底の喜びを穏やかなお顔いっぱいに表して、抱きあう他の家族を見つめておられた。それが、きょう起きたことのように忘れられない。
 そしてその前月、小泉訪朝の当日のことだ。
 横田滋さんと早紀江さん、有本明弘さんと嘉代子さんら取り残された拉致被害者の家族を、政府は外務省の飯倉公館に集め、小泉内閣で長く官房長官を務めていた福田康夫代議士(のち総理)が、北朝鮮から言い渡された死亡や未入国といった勝手な言い分をそのまま何の検証もすることなく、家族に言い渡したのだった。
 日本の政治史に残る恥ずべき、国民を国民とも思わないような冷たい仕打ちであった。
 めぐみさんは自殺したと言い渡され、滋さんや早紀江さんが精確な情報を問うと、福田官房長はほとんど答えず『だから亡くなっていますから』という答えぶりだったという。
 その直後、むごいことに家族会の記者会見が開かれ、滋さんは悲痛苦に耐えようとするあまり、いつも穏やかな顔が真っ赤に染まり、言葉がしゃくり上げるように血の涙で千切れて、うしろから早紀江さんが滋さんをかばって『めぐみは本当に濃厚な足跡を残していったのではないかと思うことで私は頑張ってまいります』と仰って涙を零(こぼ)されたこともまた、今日たった今に目撃している悲しみと苦しみとしか思えない。
 政治家への嫌悪感
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 前述のとおり、田中さんは、北朝鮮の高官X(エックス)、現在では国家安全保衛部の柳京副部長と判明している人物と国会の意思などまったく何も関係なく自分の判断で接触し、交渉し、妥協し、『たった5人を一時帰国させるだけで日本がおよそ1兆円の現金を米ドルで北朝鮮に払う』という趣旨の密約を交わしていた。
 この密約を諒解したのは小泉総理だけであり、小泉さんは他の議員の意見などまるで聞かない総理だったから、余計に国会議員の関与する余地はなかった。それなのに、まるで関与しているかのような顔で座っている国会議員が許せなかったのだ。
 こうやって北朝鮮によって、いわば拉致事件が人質ビジネスに姿を変え、1兆円が小泉総理から支払われるのを待つことになった。
 ところが日本の『世論』という北朝鮮からみれば姿なきもののためにご破算となった。
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 2020年8月号 WiLL「横田さん一家を悲しませた朝日社説と政治家の実名
 阿比留瑠比
 拉致を否定してきた人間が『申し訳ない』とは、どの口が言うのか
 拉致解決を遠ざけてきた犯人
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 産経新聞は1980年の『アベック3組ナゾの蒸発 外国情報機関が関与?』という記事を皮切りに、いち早く北朝鮮の拉致関与を疑ってきました。その一方で、他の新聞・テレビ局はダンマリを決め込んでいた。
 かつて日本社会において、北朝鮮批判はタブーに等しかった。一つの例として、国名の表記が挙げられます。産経新聞が開き直って『北朝鮮』と書き始める前まで、各紙は揃って『朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)』と表記していました。『北朝鮮』と省略すると、朝鮮総連から抗議が来るからです。
 北朝鮮を批判的に報じてきた産経新聞の社屋に、朝鮮総連の人たちが押し寄せることもあった。
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 どの口が言っているのか
 社会党の政治家たちも、拉致問題解決を懸命に妨害してきました。
 2002年に帰国を果たした地村保志さんの父親・保さんは、社会党党首だった土井たか子氏に『拉致などない』と言われたことを証言しています。社会党議員が拉致被害者の家族から拉致問題解決の請願や陳情を受けると、その情報を北朝鮮に知らせていたと囁(ささや)かれている。
 菅氏は首相時代、拉致被害者家族との懇談会で、『万が一の時に北朝鮮における拉致被害者をいかに救出できるか。いろいろと考えておかなければいけない』『救出に直接、自衛隊が出ていって、向こうの国の中を通って行動できるか』と、北朝鮮への自衛隊の出動をほのめかしたことがある。しかし案の定、周囲には『オレが本気でそんなことを考えているとおもうか?』ともらしていたそうです。
 人間として失格
 今の野党の源流となる勢力が拉致問題解決を阻んでいた一方、政府や自民党も決して問題解決に積極的ではなかった。
 1999年、外務省アジア局長に内定していた槙田邦彦氏が、『たった10人のことで日朝正常化が止まっていいのか。拉致にこだわり、国交正常化が上手く行かないのは国益に反する』と発言したことがあります。私が別の外務省幹部に取材したところ、『河野洋平外相(当時)が日頃から話していることを代弁しているにすぎません』と告げられました。前述した朝日新聞の社説の論調に似ていますが、外務省も自民党幹部も所詮、朝日新聞と同じような認識だったのです。
 小泉政権時代にも、『拉致はもういいだろう。テレビで扱っても視聴率は取れないよ』と平気で言ってのける自民党の大物議員がいました。
 小泉訪朝時、官房長官を務めた福田康夫元首相も、拉致問題に消極的でした。有本恵子さんについて記者に尋ねられ、『北朝鮮拉致事件ではない』と言ったことがあります。有本さんを拉致したのは赤軍派八尾恵氏ですが、主体(チュチェ)思想を信奉していた彼らは当然、北朝鮮と一体となって動いていた。福田氏は詭弁を弄してまで北朝鮮をかばおうとしたのです。
 小泉訪朝後、福田氏は拉致被害者家族を呼び出し、『あなたの子供はなくなっています』と、被害者の安否について北朝鮮の発表をそのまま伝えた。他の家族の方が『何だその言い方は!』と怒ると、『あなたな子供は生きているんだから、いいじゃないですか』と。政治以前に人間として失格です。
 お前が言うな
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 タブーの時代を経て
 2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)との初会談で、北朝鮮金正日総書記が拉致の事実を認めました。ようやく日本人が北朝鮮の悪事を知ることになりましたが、あまりにも時間がかかりすぎた。誤った歴史認識に基づく朝鮮半島への贖罪意識なのか無関心なのか、日本人は拉致被害者家族に冷たく接してきたのです。
 1998年、横田滋さんは家族会を結成し代表に就任した。それ以来、早紀江さんとともに全国を回り、署名活動や講演を重ねてきました。めぐみさんを取り返す為に立ち上がった横田家の苦労は、想像を絶するものだったでしょう。横田夫婦がビラ配りを始めた頃は、ビラを受け取らないどころか、叩き落とす人すらいた。
 そんな〝冬の時代〟にあっても、横田夫婦を支えていたのが安倍首相にほかなりません。
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 安倍首相は、父の安倍晋太郎元外相の秘書官時代から拉致問題に取り組んできました。当時のメディアも政治家も、ほとんど誰も拉致自体を信じず、相手にしないような時代だった。……
 小渕恵三政権時代、当時の野中広務官房長官(当時)と鈴木宗男官房副長官(同上)が、『北朝鮮を批判して跳びはねて安倍はけしからん』と放しているのを目撃したことがあります。票にも金にもならない拉致問題は、政治家にとって〝うまみ〟がありません。むしろ、北朝鮮とつながりのある野党政治家から睨まれ、自民党幹部から煙たがられる。
 実際、安倍首相は当選同期の中で政府のポストに就くのは最も遅かった。それでも安倍首相は政治家人生をかけて拉致問題に取り組んできたのです。
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 安倍首相は何もやっていないと簡単に言い切る人がいますが、……。
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 安倍・トランプの本
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 小泉初訪が実現した背景には、ブッシュ政権による強い圧力がありました。北朝鮮をイランとイラクに並べて『悪の枢軸』と名指しし、金融・経済制裁を発動した。追い詰められて日本に泣きついた格好です。武力で拉致被害者を奪還するという選択肢を持たない日本は、米国をはじめ世界各国を巻き込んで北が動かざるを得ない状況をつくるしかない。
 拉致問題を解決して国交正常化を果たした暁(あかつき)には、日本が巨額の資金援助を行う用意があるということも、トランプ政権を通じてすでに伝えてあります。 
 北朝鮮にとって、まとまった金の援助は日本しか期待できません。韓国の経済状況は良いとは言えず、1兆円規模の支援は難しい。日本は韓国との国交正常化にともない莫大な経済支援を行った前例があるので、金正恩も同額かそれ以上を狙っているのだと思います。
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 戦後日本の象徴
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 若者層への啓発として政府がつくったアニメーションビデオ『めぐみ』を学校に配ろうとしても、韓国人・朝鮮人差別につながるという理由にもつかない理由で、生徒に見せない学校がたくさんあります。
 様々な妨害がありながら、それでも次の世代にバトンを渡し、北朝鮮の国家犯罪を糾弾しなければなりません」
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 日本赤軍中核派革マル派など暴力革命を目指した過激派反天皇反日的日本人達が起こしたテロ事件の陰が、亡霊の如く現代日本に存在している。
 左翼・左派・ネットサは、国民の権利や生命財産を犠牲にしても「権力に抵抗する」事が正義であるとするDNA・遺伝子、心・志を正統に受け継いでいる。
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 日本の野党は、日本人に見捨てられて消滅した日本社会党のDNA・遺伝子、心・志を色濃く継承している。
 保守党である自民党の中にも、馴れ合いの55年体制を維持していた関係で日本社会党の怨霊が存在し、それが親中国派・媚中派、親韓国派、親北朝鮮派、親ロシア派などに潜り込んでいる。
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 現代の自民党は、拉致被害者とその家族を見捨てた昔の自民党を総括せず、拉致事件を解決しまいとしたDNA・遺伝子を僅かながらに現在も引き継いでいる。
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 2020年現在においても、北朝鮮が行った国家犯罪の日本人拉致事件解決には非協力的な日本人が少なからず存在する。
 そうした勢力に北朝鮮主体思想が浸透している。
 彼らは、日本人拉致被害者救出による事件解決より日朝正常化を優先すべきだと主張している。
 その言動は、戦時中の連合軍首脳部の「ナチス・ドイツとの戦争に勝利すればユダヤ問題(ホロコーストの虐殺)は解決する」という発言ににている。
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 日本のメディア・報道機関が、日本人の権利や生命財産を守る味方、守護者とは限らず、その逆で、権利を害し、生命を見捨てる、切り捨てる存在である事もある。
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 日本人拉致事件を生み出した張本人は、お人好しの自民党政権であった。
 日本人拉致事件を食い止めず、拉致された日本人の救出を妨害し見殺しにしたのは、無責任な野党とメディア・報道機関であった。
 つまり、国家権力である政府も議会も、政治家も官僚も、守るべき日本人・日本国民を助ける事なく切り捨てたのである。
 そして、メディア・報道機関も同罪であり、左翼・左派・ネットサハもやはり同罪である。
 彼等は口では真顔で「人助け」といっても、実際は人を助けない。
 それは、現代においても変わりはない。
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 現代日本では日本人拉致事件を解決するには、日朝国交を回復し、植民地支配を謝罪し、戦争賠償金を支払い、経済支援を行い、北朝鮮の為に行動するべきだと、本気で主張する日本人が少なからず存在する。
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 現代日本には、醜悪で無責任な綺麗事、人を貶めるような現実にあり得ない理想を強制する様な言動が渦巻いている。
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 現代日本人は、キリスト教価値観から、右の頬を打たれたら屈辱や敵意を抱かず抵抗も報復も復讐もせずにこやかに喜んで左頬を殴って貰う為に差し出す。
 現代日本人の最大の関心事は、「自分一人が殺されない」事で、あとは殺されようが拉致されようが構わないと割り切っている。
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