☵23〕─1─中学教科書に「従軍慰安婦」 使用是非で再び議論 河野談話が暗い影〜No.224No.225 ⑭ 

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 2021年1月28日 産経新聞「中学教科書に「従軍慰安婦」 使用是非で再び議論 河野談話が暗い影
 記者会見で「従軍慰安婦」の記述問題は「絶対に譲れない最後の一線」と訴える新しい歴史教科書をつくる会藤岡信勝副会長(中央)ら=28日、東京・霞が関
 4月から使われる中学校歴史教科書で久々に登場した「従軍慰安婦」の記述をめぐり、再び使用の是非が議論となっている。「新しい歴史教科書をつくる会」などは28日、「使用は日本政府の立場と異なる」として、先月に続き教科書会社に記述削除を勧告するよう文部科学省に要請した。同省は応じない構えで、“不問”とされる背景には同記述が登場する平成5年の河野洋平官房長官談話があり、今も教科書検定に暗い影を落としている。
 「『従軍慰安婦』問題は(歴史)教科書をめぐる問題の原点となるテーマ。絶対に譲れない最後の一線」
 同会などは28日、文科省に申し入れた後の記者会見で、強い懸念を示した。
 議論の発端となったのは山川出版社の教科書にあった記述だ。「戦時体制下の植民地・占領地」の見出しを掲げた本文の脚注に、「戦地に設けられた『慰安施設』には、朝鮮・中国・フィリピンなどから女性が集められた(いわゆる従軍慰安婦)」と記載された。
 昨年12月に申し入れた際には「『従軍慰安婦』という言葉は(先の大戦)当時に存在せず、歴史用語として不適切」や「『従軍』は従軍カメラマン、従軍看護婦などの軍属を指す用語であり、慰安婦が軍属として勤務していた事実はない」などと問題点を指摘した。
 だが、前回の申し入れに対し、文科省は「教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見は付されなかったので、記述の訂正を勧告することは考えていない」と“ゼロ回答”だった。今回も同様の対応が予想される。
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 「従軍慰安婦」という言葉は戦時中に存在せず、昭和48年に同名小説を著した作家、千田夏光(せんだ・かこう)氏の造語とされる。同著では日本軍が女性たちを強制連行し、慰安施設を運営していたとする裏付けのない内容が描かれた。この造語は新聞報道でも使われるようになり、強制連行のイメージとともに世に広まっていった。
 一気にその影響力を強めたのが、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野談話だ。冒頭で「いわゆる従軍慰安婦問題については…」と言及した。実際に談話発表後初の中学校教科書検定となる7年度検定で、全ての教科書会社が「従軍慰安婦」を取り上げた。
 その後、「強制連行説」に疑義が指摘され始め、用語そのものに対する疑問や生徒の発達段階に配慮していないとの批判が相次いだ。すると「従軍」と冠した記述はなくなっていき、16年度検定から一時は全社が慰安婦自体を扱わなくなった。
 そうした中、中学校歴史教科書に新規参入した山川出版社が「従軍慰安婦」の記述を復活させ、それが令和元年度検定で合格した。
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 つくる会側は河野談話閣議決定を経ていないことから、強制連行を否定する平成19年の閣議決定済みの政府答弁書などと比べ、文科省の検定基準が教科書の記述に求める「閣議決定などで示された政府の統一的な見解」として弱い点を指摘する。
 しかし、河野談話をめぐっては「強制連行説」が否定された後も、「広義の強制性(はあった)」とする解釈のもと、現在に至るまで見直されていない。さらに「見直すことや新たな談話を発表することは考えていない」とする答弁書閣議決定されているため、文科省側は河野談話閣議決定と同等の効力があるとの見方を示している。
慰安婦問題に詳しい麗澤大の高橋史朗特任教授は「河野談話は事実の追求よりも、政治的妥協の産物だったことが明らかになっており、本来なら見直すべきだ。ただ、それ以前に政府見解で歴史認識に変更があり、政府が『従軍慰安婦』という言葉を使わなくなったのだから、教科書検定でもそれを尊重すべきだ」と指摘している。」
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