☵51〕─1─反日派韓国紙、安倍首相辞任を1面で報道、韓国国内の反応。~No.432No.433No.434No435No.436 

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 2020年8月29日 産経新聞「韓国紙、安倍首相辞任を1面で報道 批判の一方で「新たな機会」
 首相官邸に入る安倍晋三首相=28日午後、首相官邸(佐藤徳昭撮影)
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 【ソウル=名村隆寛】安倍晋三首相の辞意表明について29日付の韓国各紙は1面に安倍氏の写真を掲載するなど、大きく報じた。
 朝鮮日報は社説で「安倍首相は日本国内の嫌韓の雰囲気を政治利用し、再び嫌韓を引き起こす悪循環が繰り返された」と強調。「日本の次期首相は『嫌韓政治』をしてはならない。韓国政府も『反日政治』の誘惑を振り切らねばならない」と指摘した。
 ハンギョレ紙も社説で「安倍首相が『嫌韓』を政治的に悪用し、韓日関係を大きく悪化させたことは遺憾」とし「韓国最高裁の強制動員賠償判決(いわゆる徴用工訴訟の判決)を『国際法違反』と攻撃し、報復的な輸出規制を強行し、朝鮮半島平和プロセスを執拗(しつよう)に妨害した」批判した。
 東亜日報の社説は「安倍首相が辞任しても日本の対韓政策の基調がすぐに変わるのは難しいとの展望が優勢だ」とする一方、安倍氏の辞任は「(日韓関係改善の)新たな機会となり得る」と主張した。
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 8月30日 Microsoft News 文春オンライン「「“嫌韓”を政治利用した」韓国で歴代もっとも“嫌われた”日本首相・安倍晋三辞任、韓国国内の反応
菅野 朋子 2020/08/30 11:05
 新首相、9月17日に臨時国会で指名へ
 安倍首相、トランプ大統領との付き合いは「疲れるんだよ」
 安倍晋三首相の辞任は28日、韓国でも速報で伝えられ、夜の主要ニュースでも報じられた。ただし、折しも、韓国で新型コロナウイルスの感染者が増加中で疾病管理本部が「1日800人~2000人の感染者が出る可能性もある」と発表したこともあり、ニュースでは開始後20分ほど過ぎたところでの扱いだった。
 翌日の朝刊はいずれも一面扱いだったが、やはり、記事は3番手ほどの大きさで、見出しは似たようなものが並んだ。
 「安倍 『持病再発』 電撃辞任」(朝鮮日報、8月29日)
 「安倍、退場」(中央SUNDAY、同)
 「8年執権 安倍の足かせとなった持病」(東亜日報、同)
 「7年8カ月 安倍の退場」(韓国日報、同)
 「持病悪化 安倍日本総理 『電撃辞任』」(京郷新聞、同)
 「安倍 7年8カ月で辞任」(ハンギョレ新聞、同) 
 韓国で安倍首相の健康悪化説が流れたのは8月初め。日本の「吐血」報道(『FLASH』8月4日発売号)からだ。テレビでは顔色の悪さや精気のなさが指摘されたりしていた。
 辞任を発表した安倍晋三首相 ©Aflo© 文春オンライン 辞任を発表した安倍晋三首相  ©Aflo
 「日本の吐血報道や、安倍総理の土気色の顔色からもしや辞任するかもしれないという見方も出ていましたが、改憲とオリンピックに執着し、一強といわれた安倍総理でしたから、体調が悪くとも来年の任期までこのままの体制を維持していくのではないかという見方に寄っていました」と東京勤務経験のある中道系紙記者は言う。
 「それが、辞任の可能性もあるという見方に変わったのは(8月)17日に病院に行ってから。日本のメディア関係者などから少しずつ話が伝わってきており、注意深く見ていました。『電撃』という言葉はついていても、さほど驚きをもっては受け止められていません」
 辞任の背景は「コロナ対策での失敗」を挙げる社が多数
 辞任の背景については「コロナ対応失敗・支持率 ストレス 持病に屈した日本最長寿総理」(韓国日報、8月29日)、「選挙で6回の勝利を導き、安倍一強構築 コロナ直撃弾で墜落」(ハンギョレ新聞、同)とコロナ対策での失敗を挙げているところが多かった。 安倍首相辞任そのものについての論調は、保守、中道、進歩問わず似たり寄ったりだったが、一致しているのは、安倍首相が戦後最悪の日韓関係を作ったとする点だろうか。保守系朝鮮日報も進歩系のハンギョレ新聞も安倍首相が「嫌韓」を政治利用してきたことを指摘している。
 朝鮮日報は社説「安倍退陣により“嫌韓政治” “反日政治”すべて終わることを願う」で「安倍総理は日本国内の嫌韓の雰囲気を政治に利用してきた。それがまた嫌韓を引き起こすという悪循環が繰り返された」とし、その例として就任後の靖国神社参拝、2018年末に起きた韓国海軍のレーダー照射騒動での安倍首相による映像公開、徴用工問題に対する2019年7月の「対韓輸出規制」を挙げている。
 そして、これまで安倍首相のような政治家はいても日本の世論が制御してきたが、「韓国の謝罪要求について日本の人々の疲労度が高まった中、文在寅大統領が反日を国内政治に利用し、“嫌韓”が大勢になってしまった」と分析。最後は「次の日本の総理は“嫌韓政治”をしてはならない。韓国政府も“反日政治”の誘惑を振り切らなければならない」と結んでいる。 
 進歩系のハンギョレ新聞も社説「安倍総理電撃辞任 韓日関係改善の出発点になることを」で、「何より安倍総理嫌韓を政治的に悪用し、韓日関係を大きく悪化させたことは遺憾だというほかない」と書き、朝鮮日報と同じく、徴用工問題での報復として輸出規制を行ったことを挙げた。
 安倍首相辞任により、「韓国政府も安倍政府の退場を契機に韓日関係改善の突破口を積極的に作るべきだ。歴史問題解決と外交、経済事案をツートラックで進展させる戦略を先に準備する必要がある」と締めくくっている。
 安倍首相ほど韓国で不人気だった日本首相はいなかった
 振り返れば、安倍首相ほど韓国で不人気だった首相はいないかもしれない。
 別の中道系紙記者はいう。
 「安倍首相といえば、靖国神社参拝(2013年)、そして河野談話の検証(2014年)までしましたから、韓国では『歴史修正主義者』ととらえられていました。日本での嫌韓の雰囲気が醸成されたのも、安倍首相自らがそれを容認し、利用したためと見られていましたから、韓国人が認められるような余地はなかった。
 そういった認識が、日本に関心のない層にまで広がったのが輸出規制です。日本は韓国の輸出管理に不備があったとしましたが、強制労働の被害者(徴用工)判決への報復だったことは明らか。歴史問題に経済で報復するのかと日本への失望や怒りが広がった」  
 世論の反応はどうだろう。ネットの書き込みをみてみると、安倍首相自身を批判したり、どうでもいい、関心がないといった内容のものもあることはあるが、それよりも、安倍首相辞任をきっかけに韓国の保守に矛先を向け攻撃している書き込みのほうが目についた。
 青瓦台(大統領府)は8月28日、安倍首相の17時の記者会見から1時間が過ぎる少し前、コメントを出した。「安倍総理の早い快癒を願う」として、「長い間、両国の関係発展のために多くの役割をしてきた安倍総理の突然の辞任発表を残念に思う」と続け、「新たに選出される日本の総理および新内閣とも韓日間友好、協力関係増進のために続けて協力していく」という内容だった。
 韓国での関心はすでに次の首相候補に向けられている。
 菅官房長官が「土のスプーン」と呼ばれる理由
 「土のスプーン『菅』、認知度が弱点の『岸田』、安倍の政敵『石破』浮上」(中央日報、8月29日)、「ポスト安倍 菅? 石破? 第三の人物?」(ハンギョレ新聞、同)などと報じていて、河野太郎防衛相、小泉進次郎環境相などの名前も上がる。土のスプーンは、韓国のスプーン階級論で所得下位層を指す。菅義偉官房長官は韓国でもたたきあげとして知られている。
 安倍首相の辞任で日韓関係改善に弾みがつくのではないかと期待するメディア(保守系東亜日報)や石破茂元幹事長が首相になれば日韓関係の膠着状態も打開できるのではないかという見方も出てはいるが、いずれにしても、日本の韓国へ対する立場に変わりはないだろうという見方が大勢だ。
 冒頭の記者はこんなことも言っていた。
 「安倍首相が『嫌韓』を政治利用していたという見立てがされますが、では、新しい首相になれば、日本国内の『嫌韓』は変わるのか。そのまま継続されて膨らんでいくのか、それとも、分裂して縮小されていくのか。韓日関係もそうですが、そんなところにも注目しています」
 安倍首相辞任は、日韓関係にとっても「終わりの始まり」のようだ。
 (菅野 朋子)」
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