☷14〕─1─韓国を揺るがす「韓国のアウシュビッツ」兄弟福祉院問題とは何か。~No.38No.39No.40 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本人と朝鮮人は分かり合えない。
   ・   ・   ・   
 2022年8月28日 MicrosoftNews JBpress「韓国を揺るがす「韓国のアウシュビッツ」兄弟福祉院問題とは何か
 (羽田 真代:在韓ビジネスライター)
 今、35の国と地域で話題沸騰中の韓国ドラマがある。「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」というNetflixのドラマだ。
 主人公は自閉スペクトラム症(対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴を持つ発達障害の一つ)を抱えている新米弁護士の女性だ。彼女はソウル大学の法学部を主席で卒業。IQ164という天才的な頭脳を持ち、一度見たものは絶対に忘れないという驚異的な記憶力を持っている。
 このドラマは、そんな彼女がさまざまな事件を解決していく内容だ。35の国と地域のテレビ部門でNetflixのトップ10入りを果たし、韓国内外で話題となっている。
 あまりの人気ぶりに、韓国のニュース番組では障害者特集が何度か組まれて放送された。ひと昔前の韓国では障害者が働ける場所はわずかだった。日本同様、今では韓国でも障害者を積極的に採用しようとする企業が増えた。ニュース番組の特集では、そんな障害者の働く姿や、両親の思いなどにスポットを当てて報じられている。
 障害者に対する認識が徐々に変わり始めたこのタイミングで、軍事政権時代の衝撃的な事実が明らかになった。
 1960年から90年代はじめに、釜山市で警察と市が“不良”とみなした多数の少年らを「兄弟福祉院」という福祉施設に収容した事実を、「真実・和解のための過去史整理委員会(真実和解委)」が明らかにしたからだ。
 被害者は虐待や強制的な労働を強いられた。1975年から88年には収容中の死者が678人に上った。
 © JBpress 提供 釜山にあった兄弟福祉院の収容施設(写真:Yonhap/アフロ)
 真実和解委とは、2005年5月に韓国の国会で可決した「真実・和解のための過去史整理基本法」を基に、同年12月に独立政府調査機関として発足した委員会だ。
 同委員会は2010年にいったん解散したものの、文在寅ムン・ジェイン)政権下の2020年に、真実・和解のための過去史整理基本法を発展させた「真実和解法(真実・和解のための過去史整理基本法)」が通過したことにより、同年12月10日に2期の真実和解委が発足した。メンバーは学者や弁護士、牧師らで構成されている。
 真実究明の範囲は、1期も2期も「日本による植民地時代―解放政局―6.25戦争(朝鮮戦争)―権威主義統治(盧泰愚<ノ・テウ>政権まで)」である。
 「韓国のアウシュビッツ」が生まれた経緯
 同委員会の調査によると、兄弟福祉院の前身の施設が設立された1960年以降、警察や市の取締班が障害者や浮浪者、不良など、みすぼらしい身なりをした少年らに声をかけて、無銭飲食などの軽犯罪容疑を理由にして、法的手続きを取らずに施設へ連行した。
 1975年から86年には約3万8000人が連行され、死亡者が600人を超えていたことから、韓国では「韓国のアウシュビッツ」と言われている。
 1960年から90年代初めに韓国の大統領を勤めた人物は次の通りだ。
・1960年:尹潽善(ユン・ボソン)
・1963年:朴正煕(パク・チョンヒ)
・1979年:崔圭夏(チェ・ギュハ)
・1980年:全斗煥(ジョン・ドゥファン)
・1988年:盧泰愚(ノ・テウ)
・1993年:金泳三(キム・ヨンサム)
 なかでも全斗煥政権下の強制連行が最もひどかったという。
 全斗煥元大統領は、1981年「物乞い行為者を一斉取り締まりするよう」浮浪者の強制収容を具体的に支持した。6年後に兄弟福祉院に対する捜査が始まるが、この時、彼は「運営者一人だけの問題ではない」と言って、責任者の処罰を事実上阻止している。
 韓国は1988年に初めてのオリンピックを首都ソウルで開催。その2年前の1986年にはソウルでアジア競技大会も開かれている。
 1988年に開かれる予定のオリンピック開催地選考は、1981年9月30日に西ドイツで開かれた第84次国際オリンピック委員会総会で決定された。全斗煥前大統領が強制収容を支持した時期と重なる。
 彼はこのような国際大会を理由に、自国内における浮浪者の取り締まりを強化したそうだ。オリンピックという輝かしい国際大会の場で、韓国という国を少しでも世界に良く見せたかったのだろう。
 兄弟福祉院と慰安婦・徴用工問題の類似点
 このような韓国の見栄は昔も今も変わらない。
 2018年に開かれた平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック時には、韓国政府や地元当局が「会期中の犬肉料理の提供を自粛するよう」飲食店に求めた。
 強制度合いや取り締まり内容に差はあるものの、ソウルオリンピックの時も平昌冬季オリンピックの時も、韓国政府の見栄に振り回されたのは自国民だった。
 兄弟福祉院問題は日本が抱える慰安婦問題や徴用工問題と重なって見える。被害者と言われる人々が、被害者への謝罪と被害回復の支援を求めているからだ。
 ただし、慰安婦問題と徴用工問題に関しては日本側が強制したという証拠がない上に、日本は事実を確認しないまま日韓基本条約(1965年)と慰安婦問題日韓合意(2015年)で被害者と言われる人たちへの謝罪と補償を済ました。この点では兄弟福祉院問題と似て非なるものだ。
 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日韓関係改善に前向きで、日韓にある問題を解決しようと奮闘中だ。だが、韓国政府はまず自国内の問題から着手すべきではないだろうか。被害者の数が日本のそれとはあまりにも差がある。
 ついでに言うと、ベトナム戦争時の韓国軍による虐殺問題についてもそろそろ解決に向けて乗り出した方が良いだろう。
 日本にも飛び火しかねない兄弟福祉院問題
 この度、真実和解委から公表された兄弟福祉院問題は、今後の日韓関係に影響する可能性がある。兄弟福祉院問題と日本が抱える問題を重ねて見る韓国人が少なくないからだ。
 韓国政府が強制収容された被害者にすんなりと謝罪と賠償を行えば、韓国国民から日本に対する謝罪と賠償の声が大きくなることが予想される。
 今後、韓国政府が強制収容された被害者たちとどのようにして向き合っていくのか見届けたい。」
   ・   ・   ・