☵55〕─1─対日強硬派の過激発言で日韓の進展困難となる。~No.452No.453No.454No455No.456 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2021年4月9日 産経新聞「【主張】韓国与党大敗 対中傾斜に警戒を強めよ
 韓国の2大都市、ソウルと釜山の両市長選で、いずれも保守系最大野党「国民の力」の候補が革新系与党「共に民主党」の候補に大勝した。
 来年3月に行われる大統領選の前哨戦と位置づけられた両市長選で陣営が大敗したことにより、文在寅ムン・ジェイン)大統領は残りの任期で厳しい政権運営を強いられることになる。
 文氏はこれを受け「国民の叱責を重く受け止め低い姿勢で国政に臨む」と述べた。留意すべきは文政権が支持層をつなぎとめるため反日政策を強化し、中国に傾斜する可能性があることだ。
 両市長選はともに、セクハラ問題が発覚した与党系市長の自殺や辞任に伴う補欠選挙として実施された。政権、および与党は都市部の住宅価格の高騰や、土地の不正投機疑惑にさらされていた。
 支持率低迷にあえぐ文政権にとって、この敗戦は致命的である。加えて後継大統領の有力候補だった李洛淵(イ・ナギョン)前首相が両市長選の選対委員長を務め、責任を問う声が与党内にある。与党は今、大統領選を戦える状況にはない。
 任期の末期に求心力を失った大統領は何をするか。思い起こすのは2012年、当時の李明博大統領による竹島上陸である。任期を半年残した李氏は側近のスキャンダルにまみれており、反日強化で支持をつなぎとめようとした。
 文氏は3月の演説で日本との歴史問題について「過去の問題は過去の問題として解決し、未来志向的な発展に一層、注力せねばならない」と述べた。一部に関係改善の姿勢を示したとの見方もあったが、一切の行動は伴っていない。いわゆる徴用工、慰安婦の問題でも今後、強硬姿勢に転じる恐れもあるが、国際法上無効な賠償要求などは、はねつければいい。
 懸念すべきは、対中傾斜に拍車がかかることだ。韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相は今月、初の外遊先に中国を選び、王毅国務委員兼外相と会談した。米国に先んじての中国訪問は異例中の異例だった。
 対北朝鮮融和を最大の成果とする文政権は、残る任期中の対話再開を目指して中国を頼る姿勢を、より鮮明にする可能性がある。
 バイデン米大統領は世界の現状を「民主主義勢力と専制主義勢力の戦い」と表現した。地勢的に中国と近く北朝鮮と接する韓国が民主主義勢力の弱点とならぬよう、注視しなくてはならない。
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 4月17日16:41 産経新聞「【日米首脳会談】隠せぬ日米と韓国・文在寅政権の温度差
 韓国の文在寅大統領=ソウル(韓国大統領府提供・共同)
 【ソウル=桜井紀雄】日本に対抗し、バイデン米政権との首脳会談の早期実現に注力してきたのが韓国の文在寅ムン・ジェイン)政権だ。16日の日米首脳会談直前に滑り込ませるように、韓国大統領府は米韓首脳会談の5月後半開催を公表し、日米に次いで「2番目に発表された首脳会談だ」とアピールした。
 韓国紙ハンギョレは、米側が日程も確定していない文大統領の訪米の公開に同意したのは「日本と対立する韓国が過度に疎外されないよう配慮したため」と分析した。16日の日米首脳会談で菅義偉首相は、日米韓の協力の重要性に言及したが、韓国の聯合ニュースは「悪化した韓日関係の改善を望む米国の注文が反映された」との見方を伝えた。
 日米首脳は今回、中国に対抗するための連携や北朝鮮の完全な非核化への深い関与を確認した。これに対し、3月の米韓外務・防衛閣僚協議(2プラス2)では、共同声明から「中国」や「非核化」といった文言が抜け落ちている。中国や北朝鮮との融和を優先させる文政権の意向が働いたとみられ、対中・対北政策で日米と文政権の温度差は隠しようがない。
 バイデン大統領は、日本人拉致問題解決に向けた深い関与も確認したが、北朝鮮は、米国と接触することさえ無視する立場を強調しているのが実情だ。
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 5月2日19:24 MicrosoftNews 朝日新聞社「過激発言の対日強硬派、韓国与党代表に 文政権に影響か
 © 朝日新聞社 2日、韓国の与党「共に民主党」の新代表に選出された宋永吉氏(中央)=東亜日報提供
 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権を支える与党「共に民主党」は2日、党大会を開き、新代表に韓国国会の外交統一委員長を務める宋永吉(ソンヨンギル)議員(58)を選んだ。宋氏は対日強硬派で、過激な発言を繰り返してきた政治家。来春の大統領選で与党候補の勝利に向けて陣頭指揮を取る。文氏と近いグループと距離を置いており、党内での文氏の求心力が低下する可能性もある。
 新代表に当選後、宋氏は「勝利に向かって、ちゅうちょなく進まなければならない。韓国の跳躍に向けて先頭に立つ。(大統領選で)勝利しよう」と語った。
 世論調査機関・韓国ギャラップが30日に発表した調査では、文氏の支持率が過去最低の29%と初めて20%台に下落。危険水域に突入し、韓国の政界やメディアの間では文氏のレームダック(死に体)化が進むとの見方が広がる。4月のソウル、釜山両市長選で惨敗を喫した与党の新執行部は、来年3月の大統領選に向けて党勢の回復が急務となっている。
 宋氏は当選5回のベテラン議員だが、党内では文氏に近い「親文派」と距離がある。宋氏は大統領選の候補にはならないが、与党候補の当選に向けて党の陣頭指揮をとる。「世論にアピールするため、文氏に日本への強硬姿勢を求める」(ソウルの外交筋)と見る向きが強い。大統領選で与党候補が勝利すれば、宋氏は論功行賞として重要ポストに就く可能性がある。
 宋氏は韓国では過激な発言で知られ、日本にも厳しい。最近は東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出方針を決定した日本政府を「とてもひどい利己主義で、全人類に許されない罪を犯そうとしている」と痛烈に批判。元慰安婦問題をめぐって、「日本を代表して日王(天皇)が被害者に謝罪すればいい」と発言したこともあった。
 核保有国の米国が「北朝鮮やイランに(核を)持つなと強要できるのか」と主張したり、文政権の対北融和策を懸念する駐米大使を「朝鮮総督のつもりか」と批判したりするなど発言も物議を醸してきた。(ソウル=鈴木拓也)
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 5月2日19:35 産経新聞「韓国キングメーカー「日韓の進展困難」
 © 産経新聞社 韓国キングメーカー「日韓の進展困難」
 【ソウル=時吉達也】4月まで韓国最大野党「国民の力」のトップを務めた金鍾仁(キム・ジョンイン)氏(80)が産経新聞の取材に応じ、歴史問題をめぐる日韓間の協議停滞について「問題解決は次期政権でやってもらうほかない」と述べ、残り約1年となった文在寅ムン・ジェイン)政権下での進展は困難との見方を示した。
 金氏は与野党を横断して主要選挙で党要職を務め、朴槿恵(パク・クネ)、文在寅両氏ら歴代大統領の政権奪取に貢献。「韓国のキングメーカー」の異名を持つ。昨春の総選挙で「国民の力」前身の「未来統合党」が惨敗したことを受け、期間限定で同党トップに就任、先月のソウル、釜山両市長選で野党を勝利に導いた。
 金氏は政権与党「共に民主党」について、政権奪取以降、「『(今後)20年、執権を維持する』などと傲慢な発言が目立った」と批判。先の両市長選における与党の敗因に関しては、「文在寅政権が市民にとって不快な政策を繰り返した」ことを挙げた。
 現政権下で停滞する日本との歴史問題解決に向けた協議については「両国とも、自国の国民を説得できる指導者が必要だ」と強調。米中対立などを念頭に「国際環境に変化があり、日韓の利害関係も変化した。それらをすべて再検討すれば、両国の最大公約数(として合意できる点)が計算できる」と指摘した。
 来年3月に予定される次期大統領選をめぐっては、「6、7月ごろまでには選挙戦の輪郭がはっきりする。現時点で私から話すことはない」と述べるにとどめた。野党候補として取り沙汰される尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長についても「最も先行しているが、本人が態度を明らかにしていない。様子を見なければならない」と慎重な見方を示した。
 与野党の候補予定者らが金氏に相次いで面会を要請しているとの報道に対しては「本当に立派な候補が出てきて大統領になる、というならすべてをなげうって助けるかもしれないが、そうでなければ(参謀役を)絶対にやらない」と断言した。
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 金鍾仁氏 1940年、ソウル生まれ。大学教授などを経て、国会議員5期。朴正煕(チョンヒ)大統領のブレーンを務めて以降、歴代大統領の助言役として存在感を示す。李明博(イ・ミョンバク)政権の支持率が低迷した2012年には与党トップの朴槿恵氏の下で選挙対策を主導、総選挙に勝利。同年大統領選での朴氏当選につなげた。一方、16年には左派系「共に民主党」の文在寅代表から招請され、暫定トップの非常対策委員長に就任し同年の総選挙で勝利。昨春から今年4月まで野党「国民の力」(就任時は「未来統合党」)」の非常対策委員長。
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 5月2日20:17 産経新聞「「韓日両国の利害、再検討を」金鍾仁氏 一問一答
 韓国「国民の力」前非常対策委員長・金鐘仁(キム・ジョンイン)氏=4月20日、ソウル市内
 韓国最大野党「国民の力」で暫定的な党代表、非常対策委員長を先月まで務めた金鍾仁(キム・ジョンイン)氏は本紙インタビューで、日韓関係改善に向け「国際環境の変化に伴う両国の利害を再検討すべきだ」と強調した。主なやり取りは以下の通り。
 --2016年以降主要選挙で連敗が続いた保守系野党を、4月の市長選で圧勝に導いた
 「党には長年の『タブー』があった。光州事件(1980年、民主化運動の鎮圧に軍が投入され、多数の死傷者が出た事件)の責任を認めず、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が弾劾された事件でもまともな謝罪をしなかった。時代の流れに合わせて対応を全て変え、党名も変えた」
 「その過程で、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長(当時)がセクハラで秘書に告訴され、自殺した問題などが起こり、選挙が行われることになった。文在寅ムン・ジェイン)政権がこれまで、不動産問題などで市民にとって不快な政策を繰り返してきたことを強調し、勝利を挙げることができた」
 --文在寅政権誕生に貢献した立場から一転し、野党の再建に乗り出した理由は
 「与党は政権奪取後、『(今後)20年、執権を維持する』などと、傲慢な発言が目立っていた。与党がダメなら野党を選択できるというのが民主主義の良いところでしょう。均衡を図るために助けることにした」
 「政権は10年続くと、昔のやり方にとらわれ、時代に適応できなくなる。自民党政権が続きダイナミズムが失われている日本にも通じる問題だ」
 --日韓関係の改善に向けては、文政権下で協議が停滞している
「問題は複雑に絡まり、解決は次期政権にやってもらうほかない。国際環境、地政学的要件が変化していることを考慮することが重要だ。中国の度を越した膨張が進み、米中の対立が深まる中で、日韓間には以前と異なる利害関係がある。それらをすべて再検討すれば、両国の最大公約数を計算できる。指導者には問題を解決する意思と、それぞれの自国民を説得する力が必要だ」
 「日本にも加害者の立場から、被害者(の韓国)に対し譲歩することを望みたい。2015年の日韓慰安婦合意の際、慰安婦らへの手紙などでの謝罪について『毛頭考えていない』という発言もあった。こうした態度では解決は望めない」
 --来春の大統領選に向けては、有力候補として李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事や尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長の名前が挙がる
 「6、7月には選挙戦の輪郭がはっきりしてくる。現時点で私が話すことはなにもない。これから新しい人、準備している人も出てくるだろう。李知事は前回の大統領選予備選に出て、知名度があるためリードしている。尹氏は最も先行しているが、まだ出馬に向けた態度を本人が明らかにしていない。様子を見なければならない」
 --与野党を問わず、候補者らから面会を求められていると報じられているが
 「次の大統領選は国の未来がかかる重要な選挙ではあるが、私はもう80歳を超えた。そろそろ人生を楽しまないと。本当に立派な人が出てきて大統領になる、というならすべてをなげうって助けるかもしれないが、そうでなければ(参謀役を)絶対にやらない」
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