・ ・ ・
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2022年5月10日11:15 産経新聞「韓国、5年ぶり保守政権発足 就任式に林外相、鳩山元首相出席
就任宣誓する韓国の尹錫悦新大統領=10日、ソウル(聯合=共同)
【ソウル=時吉達也】韓国で10日、新大統領に尹錫悦(ユンソンニョル)氏(61)が就任し、5年ぶりに保守政権が発足した。10日午前、尹氏の就任式がソウルの国会議事堂前で開かれた。式典には林芳正外相が出席。日韓は文在寅(ムンジェイン)政権下で悪化した両国関係の改善を急ぐ。
尹氏は就任演説で「自由民主主義と市場経済体制を基盤にして国を再建する」と述べた。日韓や米韓の関係には言及しなかった。
就任式の演説を終えた韓国の尹錫悦新大統領=10日、ソウル(聯合=共同)
就任式には林外相のほか、鳩山由紀夫元首相らが招かれた。市民ら約4万人も参加。米国はハリス副大統領の夫、ダグラス・エムホフ氏やウォルシュ労働長官が、中国は王岐山(おうきざん)国家副主席が訪韓した。
尹氏は就任式に先立ち10日午前0時、軍合同参謀本部議長から北朝鮮の軍事動向などについて報告を受け、公務を開始した。
尹氏は検事出身。当時の文政権高官に対する捜査をめぐり政権側と対立し、昨年3月に検事総長を辞職した。今年3月の大統領選に当時の最大野党「国民の力」候補として出馬。当時の与党「共に民主党」候補を0・73ポイントの僅差で破り、当選していた。
尹氏の任期は1期5年で、再選はできない。国会では共に民主党が議席の6割近くを占め、苦しい政権運営が予想される。」
・ ・ ・
5月11日00:33 MicrosoftNews テレ朝news「「問題は徴用工と慰安婦」「日本は様子見」尹大統領就任で日韓関係は?記者解説
韓国では10日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が、新たな大統領に就任しました。就任式の演説から、尹新大統領の外交を読み解いていきます。ソウル支局長の井上敦記者、政治部・官邸キャップの山本志門記者に聞きます。
(Q、尹大統領は、演説では北朝鮮について語りましたが、日本を含めて他の国には触れませんでした。日本との韓関係改善の意欲はあるのでしょうか)
就任後、一番最初の演説ですので、一番大事なのは、国民に向けたメッセージです。そして、同じ朝鮮半島の分断国家に向けてのメッセージというのも必ず必要になってきます。限られた時間内での優先順位として、日米の言及はありませんでしたが、決して軽視しているというわけではありません。日韓関係にとって最悪だった文政権の5年間とは対照的に、尹大統領は、関係改善に強い意欲を見せています。就任前から日本に政策協議団を派遣し、関係改善が「待ったなし」だと互いに確認しました。その結果が、総理特使の林外務大臣の今回の訪韓と、トップ同士の親書のやり取りに繋がりました。まずは第一歩といったところです。
(Q.両国の間の溝は埋まりそうでしょうか)
井上敦記者:溝は非常に大きいと思います。両国間の最大のトゲは、慰安婦と徴用工の問題です。尹政権の関係者に話を聞いたところ、「尹大統領は、関係悪化の最大の原因は、文政権がこの2つの解決済の問題を蒸し返したことにあるとよくわかっている」といいます。さらに、これらの問題を元に戻して、日韓関係を正常な軌道に戻したいとまで言っていました。ただ、韓国には複雑な国民感情もあり、簡単にはいきません。
国会は『共に民主党』が6割を占める“ねじれ状態”です。法律1つを改正するのも難しい状況です。根本的な解決には、必ず大統領の大胆な決断が必要ですが、2懸案をめぐって、「日本の要求通りに全て元に戻す」と言ったら、たちまち立っていられなくなってしまいます。しばらくは、国民の関心事である国内問題に注力するとみられ、政治的な体力を消費する外交については、支持率などを見ながら、じっくり取り組んでいくのではないかと思います。
(Q.岸田政権はどのように受け止めていますか)
山本志門記者:日本政府は、尹政権が今後、戦後最悪といわれている日韓関係の立て直しに向けて動きだしてくるのか。尹大統領やその周辺などの言動を踏まえ、強い期待感をもって受け止めています。その理由の一つに、尹大統領は「南北関係より、安全保障を重視している」と日本政府は分析しています。どういうことかと言いますと、北朝鮮あるいは、中国にどう対峙していくのか。韓国にとっての安全保障の柱が米韓同盟であり、その延長線上に日韓関係があって、日米韓の連携があるわけです。この辺りが関係改善の機運になり得ると、日本側は計算しています。
(Q.日本から関係改善に向けて踏み込んでいくことはありますか)
山本志門記者:政府高官は「まずは向こうが行動するかどうか」と言っていますので、日本が主導する形で動くことはないと思います。ここは岸田総理、相当、慎重に見ています。“国と国の約束を破ったのは韓国側だ”という立場を貫いていますので、元徴用工などの問題の解決に向けて、尹大統領が果たして国内を抑えることが出来るのか。ここを注視しています。だから、岸田総理が渡した親書に「リーダシップに期待する」と、一定のプレッシャーをかけたわけです。官邸幹部によりますと、日韓双方が「このままじゃダメだよね」という共通認識が得られたことで、まずはスタートラインに立てたと位置付けています。また、外務省幹部は「今、日本が前のめりに動くと、韓国の世論に火がついて、逆に尹大統領が動きにくくなってしまう」「当面は、雰囲気づくりをしていく」と説明するように、しばらくの間は様子を見ながら、関係改善の糸口を模索していくものとみられます。」
・ ・ ・
5月11日06:00 MicrosoftNews ダイヤモンド・オンライン「韓国大統領就任式の首相不参加は賢明、「日韓交渉ルール」変更が必須…元駐韓大使が解説
© ダイヤモンド・オンライン 提供 岸田文雄首相 Photo:YOSHIKAZU TSUNO/gettyimages
韓国大統領就任式に
林芳正外相が出席
5月10日に行われた尹錫悦(ユン・ソクヨル)新大統領の就任式に岸田文雄首相が出席するかどうかが注目されていたが、林芳正外相が日本政府を代表して出席した。
先月24日から28日に尹錫悦次期大統領が日本に派遣した政策協議団の活動を通じ、日韓両国政府が関係改善に意欲を有していることが明らかとなる一方で、元徴用工、元慰安婦の問題については、両国で基本的な立場の違いがあることも明白となった。
この二つの歴史問題は、韓国側から過去の合意や経緯を無視して一方的に持ち出されたものである。韓国はこれまで歴史問題について被害者と加害者の立場を持ち出し、日本に強い姿勢で臨めば、日本側は譲歩するのが当然という意識で交渉を行ってきた。また、日本が韓国に誠意を持って謝罪していないとの被害者団体の認識が国民の間で共有されてきた。
これを是正できるのは韓国では大統領しかいないが、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領はむしろ上記の認識を助長し、韓国国民の声をバックに日本に圧力をかけようとした。その結果、日本国民はこれに反発し、日韓関係は史上最悪の状況に至った。
しかし、国家間の合意を尊重するのが国際社会の普遍的ルールである。日韓関係も通常の外交関係に立ち戻り、このルールを改めて確認することが健全な日韓関係に不可欠な時期に来ている。いつまでも過去を背負っての関係などあり得ない。
岸田首相の就任式出席は韓国側に過剰な期待感を与えかねなかった。だが、普遍的な外交交渉のルールを確立することが日韓関係修復の出発点となるべきであり、そのために岸田首相が大統領就任式に出席しないのは、長期的視点で有意義なことである。
文在寅政権下で関係が最悪となった今、韓国側の対日姿勢を変えることは容易ではないかもしれない。しかし、尹錫悦政権では過去の保守政権で日韓関係を担い、これまでの経緯を理解する専門家集団が中枢にいる。尹錫悦政権で変えなければ、未来永劫(えいごう)、日韓関係は成熟しないであろう。そうした長期的ビジョンを持って交渉していくことが求められている。
韓国メディアで出始めた
日韓関係の変化を伝える報道
5月3日の中央日報の論説委員による「韓日W杯共同開催20周年の機会」と題するコラムで、次のように日韓関係の現状を分析している。
「尹錫悦政権に対する日本の歓迎ムードの裏には慎重な姿勢も同時に見える。(中略)韓国が期待する岸田文雄首相の出席の可能性はかなり低い。(中略)韓国が日本に対して過去の反省で圧力をかけた以前とは違い、今は日本が圧力を加えている。強制徴用と慰安婦合意履行問題はそれぞれ韓国裁判所の判決と韓国政府の約束破棄による問題であるため、韓国が先に解決策を出せということだ。(日韓では)ある瞬間から攻守が入れ替わったのだ。強制徴用判決の場合、韓国裁判所に差し押さえられた日本企業の財産の現金化を防ぐことが日本政府が設定したボトムラインだ。裁判所の強制競売が執行される前に特別法の立法で大法院判決と矛盾しない解決策を見出すことが現実的な解決法だ。慰安婦問題は、2015年に韓日慰安婦合意を引き出して署名した当事者の岸田首相個人の経験と絡んでいる。岸田首相は国内の反発を抑えて合意を実現させたことに対する自負心が強く、したがって文在寅政権が合意を事実上覆したことに対する不満と失望感も強い。尹錫悦政権が発足してもこうした立場は変わらない」
日本は以前とは違い、韓国側の身勝手な期待に屈しない姿勢を取っており、韓国側が問題の解決に対応しなければいけないとの姿勢を強く押し出している。ただ、徴用工問題での特別立法といっても韓国の国会は文在寅派が牛耳っており、こうした立法に応じるとは考えにくい。こうした中で韓国側に何ができるのか、解決策が見えてこない。
元徴用工問題は
新政権下でも終結見えず
朴振(パク・チン)次期外相候補は国会の聴聞会で質問に答え、日韓関係に対しては改善が必要だという従来の立場を繰り返しながら、両国対立の核心となっている元徴用工の個人請求権に関する大法院判決に対しては「司法府判断を尊重する」と述べた。
日本のメディアによると、三菱重工は韓国の大田(テジョン)地裁が4月29日、三菱重工所有権特許権2件に対し、3例目となる資産特別現金化(売却)命令を出したが、三菱重工は直ちに再抗告したと報じており、終結は見えない。
日本政府が韓国政府に対し、先んじて解決策を出すよう要求する中で、韓国政府が司法府判決を履行することになれば、いずれ日本企業の財産を現金化することになり、問題は泥沼化する。
また、尹錫悦大統領は、昨年11月に「国内政治を外交に利用しない」と述べ、国内の世論をあおって日本と交渉する姿勢は取らないとしたが、同時に歴史問題に対しては、日本の謝罪が必要だという点を明確にしている。しかし日本は何度も謝罪を繰り返しており、韓国側の謝罪要求にはへきえきとしている。
尹錫悦大統領は、日韓関係改善のためには「両国首脳間の信頼回復」と強調する。具体的な懸案について首脳同士の直接対話が重要なことは論をまたない。その意味で岸田首相の訪韓に期待していたのであろう。しかし、懸案解決の道筋が見えない中で日本側が容易に応じるとは考えていなかったのかもしれない。
岸田首相の訪韓について
韓国側は慎重な発言
日本を訪問した政策協議団の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)団長(国会副議長、「国民の力」所属)は4月26日に岸田首相と会談し、大統領就任式に招待する旨を伝えた。だが、記者団の質問に対しては「通常、各国首脳の出席はその国が決めること。どの国の首脳でも出席意思を表明してくだされば最善の礼節を持って迎える準備をしている」と述べた。
岸田首相の就任式出席に期待を示す一方で、それが実現しない場合にも、日韓両国の今後の外交交渉にマイナスの影響を及ぼさないよう予防線を張たということであろう。日本が動かないだろうと予見したということは、日本の現状を正しく理解しているということで、そのこと自体は肯定的に考えていいだろう。
韓国が派遣した政策協議団に岸田首相が面会することには賛否両論があった。政策協議団が派遣されたのは尹錫悦氏の大統領就任前の時期であり、懸案の歴史問題解決のめども立っていない、という理由からである。しかし、日本政府・自民党・財界は政策協議団に対して最大限の丁重なもてなしを行った。
政策協議団が面談した日本側のリストを見ると、岸田首相をはじめ安倍晋三元首相などの首相経験者と閣僚を網羅している。日本側としても、尹錫悦政権に期待をかけていることが感じられる。協議団の一人は「面談を申し入れて拒否された例はなかった」と述べている。
この面談において岸田首相は、日韓関係悪化の原因となっているいわゆる元徴用工訴訟問題などについて、韓国側に国際法違反を是正するための対応を促した。岸田首相は面会後の記者会見で「1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき日韓関係を発展させていく必要がある。国と国との約束を守るということは国家間の関係の基本だ」と述べた。
しかし、韓国側は、問題解決に双方の努力が必要との立場を崩していない。鄭鎮碩団長は「韓日双方が勇気と知恵と忍耐を集めてこそ解決ができるという点を(日本側に)明確に話した」という。慰安婦合意についても「両国の公式合意である点は認めるが、同時に被害者の名誉を回復し心の傷を癒やすという基本精神を看過してはならない」と述べている。
韓国側が依然として交渉による解決を求めているのは、韓国側が一方的に問題を作り出したにも拘わらず、それをベースに交渉しようという、これまでの「ゴールポストを動かす」習性が身に付いているからである。
韓国の国民感情としても、日本側が交渉に応じるべきだとの思いが残っている。これを切り崩していくためにも日本側はこれまでとは異なる対応が必要である。その最初となったのが、今回の岸田首相による大統領就任式の出席見送りである。
先述した通り、尹錫悦大統領の就任式には林外相が出席した。日本の外務省は配布した資料を通じ、「韓国政府要人等との意見交換も実施する予定」「今次訪問を機に、日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、韓国新政権と緊密に意思疎通を行っていく。就任式には林外相が出席し、尹錫悦大統領や朴振次期外相候補との個別会談を調整している」と明らかにした。
日本政府は1965年の日韓請求権協定、2015年の日韓慰安婦合意で両国間の歴史問題解決済みとの立場を貫いている。
林外相は岸田首相の親書を持って就任式に出席し、その後尹大統領と面会して親書を手渡す予定である。親書には日本の立場が改めて記されているであろう。
こうした動きに対し中央日報は、「韓国大統領就任式に結局来ない岸田氏…関係回復、出発から『力比べ』?」と題する記事を掲載、日韓で主導権争いが始まっていることを指摘している。
日韓関係を改善する上での
尹錫悦政権が抱える弱み
陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所日本研究センター長は「尹錫悦新政府が強調している韓日関係改善に進むためには、1965年の日韓基本条約と2015年慰安婦合意を尊重するという意思を日本側に確認しなければならない」「ただし、韓国の関係改善意思とは無関係に、日本側では7月の参議院選挙が終わってこそ韓日関係を遮っていた具体的懸案に対して本格的な協議を進めることができる」と指摘している。
韓国側の実務者は日韓関係を理解する人が占めている。朴振次期外相候補は米国との外交が専門であるが、東大にも留学経験があり、日韓関係についても理解が深い。
また、尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使内定者は日本研究に生涯をかけてきた専門家で、朴槿恵(パク・クネ)政権では国立外交院長(次官級)を務めた。大統領選挙では尹錫悦氏の陣営に序盤から合流し、政策公約など選挙をサポートした。日本語が流ちょうで、日本人の心理を理解し、両国関係改善のため水面下のチャンネルの役割もできると評されている。職員の間では周囲への配慮とリーダーシップで評価が高い。
日韓関係改善のため尹錫悦大統領の周囲には有能な人材が複数いる。しかし、少数与党による国会運営のため、元徴用工解決のための特別立法案などは極めて難しく、具体的対応では困難に直面する可能性がある。
尹錫悦政権の誕生直前にTBSが行った世論調査では、日韓関係に「期待している」が44%の一方、「期待していない」が46%と上回った。
いまだ多くの日本人が「韓国は日韓関係が一時良くなっても政権が変わると悪化する可能性がある。韓国はそもそも期待のできない国である」という認識を持っているのだろう。
いずれにせよ、韓国とは外交関係のあり方そのものを見直していくことが基本にあるべきである。
また、尹錫悦政権が日韓関係を改善しようとしても、その政権基盤が弱く、世論の反対に抵抗できないという弱みがある。したがって、韓国政府の出方に一喜一憂するのではなく、気長な対応が必要となるだろう。
(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)」
・ ・ ・
5月11日13:24 MicrosoftNews J-CASTニュース「「事実上反故」慰安婦合意への影響は 韓国新政権の人事に見る、対日関係改善の「本気度」
© J-CASTニュース
韓国で2022年5月10日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任した。朴槿恵(パク・クネ)政権以来、5年ぶりの保守政権への交代となる。
就任演説で日韓関係への言及はなかったものの、尹氏は大統領選の段階で「古い反日扇動だけでは国際社会の巨大な変化に立ち向かうことができない」などと、進歩(革新)系の文在寅(ムン・ジェイン)前政権の対日政策を批判。就任前には、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するとした15年の慰安婦合意を主導した人物を「政策協議代表団」メンバーとして日本に派遣した。現時点では対日関係改善に意欲を見せるが、尹氏が当選した大統領選は、文氏の後継候補と得票率で0.73ポイントしか差がつかない大接戦。政権運営は難航が予想され、それでも実効的な政策に着手できるか、本気度が問われそうだ。
朴槿恵政権で結ばれ、文在寅政権で事実上反故にされた慰安婦合意
任式には、岸田文雄首相の特使として林芳正外相が出席。尹氏や、外相に内定している朴振(パク・チン)氏と会談し、
(以下引用)
「韓国側からは、日韓関係のこれ以上の悪化を放置してはならない、という強い意欲が示された」(林氏)
(以上引用)
という。
その「強い意欲」の表れだとみられるのが、尹氏が大統領就任に先立つ22年4月、日本に派遣した「政策協議代表団」だ。そのメンバーに外務省北東アジア局長を務めた李相徳(イ・サンドク)氏が含まれていたことが韓国内で波紋を広げた。
日韓両政府は慰安婦合意に先立ち、14年4月から15年12月にかけて計12回にわたって局長級協議を実施。その際の韓国側首席代表が李氏だった。合意が結ばれたのは朴政権で、岸田氏も外相として合意に関わった。
17年に発足した文政権は、元慰安婦の女性の意見が十分に反映されていないとして、合意では問題は解決できないとの立場を繰り返し表明。合意は、日本政府が元慰安婦の女性を支援する財団設立のために約10億円を拠出することを前提に、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」内容だったが、財団は19年に解散。事実上合意は反故にされたが、韓国側から明示的に破棄や再交渉を要求することはなかった。
李氏の代表団起用で「慰安婦合意の実効性を回復させる狙い」?
この経緯が李氏の外交官としてのキャリアに影響したとの見方を出ている。李氏は16年に駐シンガポールに就任したが、18年に「個人的な理由」で辞任して帰国。当時、聯合ニュースは
(以下引用)
「慰安婦合意に関連し、責任を問われて帰任したのではない」
(以上引用)
との韓国外務省当局者の見方を伝えたものの、必ずしも額面通りに受け止められているわけではない。
その李氏の代表団起用には「慰安婦合意の実効性を回復させる狙いがあるとの見方」(聯合ニュース)がある一方で、左派のハンギョレ新聞は
(以下引用)
「今回の訪日代表団には、朴槿恵政権下で日韓慰安婦合意に達し支持した元高官や教授らも含まれており、議論が予想される」
(以上引用)
と懸念を表明した。
実際、当時の与党(尹政権にとっては野党)「共に民主党」内のグループは「誤った外交シグナルを送る結果を招きかねない」と批判する声明を出している。
慰安婦問題以外に日韓関係を悪化させた要因のひとつが、元徴用工による訴訟だ。18年に大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる判決を出したため、原告が差し押さえた日本企業の資産を売却し、現金化するプロセスが進みつつある。実際に現金化されれば、日韓関係がさらに厳しい状態になるのは必至。いったん賠償金を政府側が立て替えて原告に支払い、現金化の先延ばしを図る案も浮上するが、脆弱(ぜいじゃく)な政権基盤で実現できるかは未知数だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)」
・ ・ ・